以前から履歴書の書き方等についてブログでも書いていましたが、みなさんは履歴書の推奨されている様式が変更されたことをご存知でしょうか。令和3年に、厚生労働省が「新たな履歴書の様式例の作成について」ということで様式例を公開しています。これをもとに、公正な採用選考を確保する方針のようです。履歴書の様式にこの様式例と異なる記載欄を設ける場合は、公正な採用選考の観点に気を付ける必要があるそうです。
厚生労働省履歴書様式例の、以前推奨されていた日本規格協会が示していた履歴書様式例(JIS規格様式例)の異なる点は以下の2点です。
1.性別欄は〔男・女〕の選択ではなく任意記載欄としました。なお、未記載とすることも可能としています。
2.「通勤時間」「扶養家族数(配偶者を除く)」「配偶者」「配偶者の扶養義務」の各項目は設けないことにしました。
厚労省HP「厚生労働省履歴書様式例とJIS規格様式例の相違点」より
性別欄に関してはご理解された方もいらっしゃるかもしれませんが、最近になって認知、許容されつつある性自認の在り方に対応するためだそうです。ただ、性別の把握が必要な場合があると思います。その際に面接などで適切な方法により確認することは可能とのことです。その様式に則ると採用する企業側は何が困るかというと、面接するまで性別が分からない可能性があるということです。女性の就業者でなければならず探す際に、多くの応募がある中で条件に当てはまらない男性にも面談をしなくてはいけなくなるかもしれず、時間が余計にかかってしまうわけです。時間が余計にかかるという点は求職者の方も同じですが、今まで必要としていた情報を隠すことで時間がかかる可能性があるということです。
また、履歴書には写真を貼る必要がなくなったともいわれており、性別が分かりにくいということだけでなく、人物像を見るのに写真がないと想像がつきにくいと困ることがあります。もはや人事の仕事をしている方ならお困りのことでしょう。
また、項目2つ目は特にプライバシーの要素が非常に高いためだそうです。①超過勤務・休日出勤関係、②緊急対応関係、③配置先関係、④転勤関係、⑤その他、を参考に面接時に確認すれば良いとのことです。
また求職者の方が送ってこられる履歴書の様式は以前のJIS規格様式(性別、勤務時間、配偶者等の情報あり)が多いですが、社会の動向と企業が欲している情報では相違が生まれているように思います。もちろん求職者のプライバシー等を配慮する必要はありますが、同時に窮屈さも感じました。学生の私からしたら、今後も社会の動向により変更はあるかもしれませんが、企業側の都合も考慮していただきたいところです。
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