有名な著書なのでご存知の方は多いかもしれませんが、私は最近、朝井リョウさんの『何者』(主演:佐藤健、有村架純)を配信の映画で観ました。この作品は、2012年11月30日に新潮社より書き下ろしで発刊され、第148回直木賞を受賞し、2016年10月15日に映画化作品が公開されたもののようです。この作品は、就活をテーマにした、Twitterの書き込みが中心になって進んでいくというストーリーです。まだ観られていない方がいらっしゃるかもしれないので、ネタバレのないように雇用に携わる者として私の感想を書いていきたいと思います。
正直、就活で焦りを感じている方は観ないことをお勧めします。SNS時代ならではの苦悩、人間関係や就活の辛さがかなりリアルに描かれていて心が痛みます。それがこの作品の面白さかもしれませんが…。また、就活に限った話ではなく、日常の対人関係にも起こりうる、誰にでも覚えがあるような心情にハッとすることでしょう。
就活については、今は学生も企業を選ぶ側に回るという流れになりつつあるようですが、実際のところまだ就活に対するイメージはこの作品のように学生は選ばれる側、といった印象です。そして、選ばれるために自分を取り繕ったりしながら自分が“何者”であるか葛藤をするというのが今の社会の現状ではないかと感じています。
ただ、就活もライバルを蹴落として大手企業に入社することが目的と考えると辛いものですが、この作品のように自分とは何者なのか模索することにも意味があると思います。そうすることで自分に合った企業も見つかりやすいと思いますし、企業側にとっても信用のできる人物になると思うからです。
織田裕二さん主演の「就職戦線異状なし」という30年ほど昔の映画でも同じく就職活動を通して自分は何がしたいのかを見つけ出す映画がありましたが、結局就活とは何なのか?今も昔も学生にとっては答えは出ていないようです。
一つの作品をもとに就活や人間関係について書いてみましたが、このように書き記していくと面白いものです。みなさんもぜひ気に入った作品などと出会ったら感想を書いてみるといいかもしれません。自分が携わっている仕事を別の視点から観るのは楽しいものです。私は派遣会社ではたらいているのでこういう雇用や就活とか主人公が人事担当者などの映画やドラマばかり観るようになりました。お医者さんならドクターものの映画とか、弁護士なら裁判ものの映画など、より自分に身近なテーマを傍から見ていると、あるあるネタなど自分が映画の世界に一層入り込んで観れる楽しみ方を覚えてしまいました。ちなみに上司のバイブルは篠原涼子主演「ハケンの品格」で派遣会社のイロハはこれで覚えたそうです。
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