第623話「中高齢者の雇用は難しい」 | OFFiSTA オフィスタ・ブログ

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ここでは派遣のお仕事についてハケン会社の立場から日々思ったこと・感じたことを綴ってみるWeeklyコラムです。

 

今年1月と3月に一般社団法人日本雇用環境整備機構が開催する「高齢者を継続雇用ではなく“中途採用”で雇用する際に雇用主や人事担当者が知っておくべき知識講習会に注目しています(詳しくは本ブログ621話参照)。

 

みなさんは高齢者の雇用をどう思っていますか。労働人口の担い手であるとか、活躍の場を与えるべきという世論も多いですが、日々求職者を見ているとそこまで期待できる人材がいるかどうかといわれると正直微妙です。全てのエイジレスがそうとは言いませんが、若い世代の者と比較すると劣る部分が目に付きます。男性陣のデータはあまり持っていないので女性事務職データではありますが、2030代(以下Aと略す)と4050代(以下Bと略す)を比較してみます。

 

実際業務スキルは大きく差はない。が、集中力に大きく差が出る。休憩・おしゃべり・手が止まるといった回数はBが圧倒的に多い。面倒が嫌い・飽きっぽいという特徴もBのが若干多め。

 

定着率の悪さは圧倒的にBが高い。意外と思われるかもしれないが「年齢的にこれがラストチャンスだと思って死ぬ気で頑張ります」といって入社して数日で平気で辞めるケースはざらである。一つは耐性が弱っているので、Aの場合は多少嫌なことがあっても耐える力がありますが、Bの場合は選択肢が辞める(逃げる)に変化する傾向があるようです。理由のトップは親が倒れる(辞めたくなると都合よく倒れる親が世の中ホント多い事多い事…)、次に体調が悪いで「もう年なので無理言わないでください」というケースだが数日前に「死ぬ気で頑張る」と言っていた言葉はもう微塵もないようだ。

 

私ども人材を扱う側は“言葉が軽い”という表現をしますが、面接などでしどろもどろのAに比べてBは饒舌なケースが多いです。ただ受け応えは上手ですが、それがどこまで本音なのかは信用しにくい。後々「よく言うわ…」と思わせられることも多い。本音で真剣に相手に伝えようとしたら、しどろもどろが本当の姿だと思います。

 

職場でのトラブル率が多い。Aが職場の目下の者とトラブルを起こす確率が高いのに対し、Bは職場の目上の者とのトラブル率が目立つ。派遣の場合のデータなので正社員データと異なるのかもしれないが、年下をイジメたりということはまずないが、上司のやり方に対しては口を出すことが多い(特に上司が自分より年下だったりすると顕著)。「前の会社ではこうやっていた」、「こっちの方が効率がいい」、「こうした方がやりやすい」といった思い込みで指示を無視することもある。注意を受けると「嫌な上司だ」、「仕事が出来ない人の下ではやってられない」というお決まりのパターンです。顔は口ほどにものをいうと言いますが、何故かBは顔に露骨に出るので上司と言った言っていないのトラブルが多い(組織の中では顔に出した時点で発言したとみなされるのは妥当でしょう)。Aの方が吸収力も高く従順といえるが、Bは不満発生度が高く周囲に愚痴を溢したりつるんで陰口を言ったりと、この辺は年齢を重ねた女性特有の…いわずもがなと思うので敢えて書かない。

 

会社への迷惑はあまり気にしない傾向がBにある。Aの場合は「自分が辞めると会社に迷惑がかかる」という考えが前面に出るが、Bの場合は辞めると決めたら後は知った事ではないというのが本音だろう。むしろ自身が辞める正当な理由があると言い聞かせているかの如く、当然の権利と思っている事でしょう。

 

ABも同じ女性である以上、Aも年齢を重ねればいずれB行動に移る確率は高いと言えます。人間はその年齢帯によって行動パターン・思考パターンは一定の共通路線を歩くといいますので、自分はまだ若いからと過信せず、こういう中高齢者もいるのだということだけ覚えておいてもらえばいいかなと思います。勿論、このようなことがない勤怠も定着もしっかりした大人の女性としてのエイジレスもたくさんいらっしゃいますので一概に言えませんが、あくまで中高齢者にこういう傾向が多いというだけのことです(若い方でもこのような労働者は中にはいますし)。

 

恐らくどの企業の人事担当者も「高齢者雇用」によってこのようなことが起きることは十分承知しているはずです(苦汁を飲まされてきている)。だからこそ高齢者雇用は進まないのです。どこの企業も若い人が欲しいのです。年齢不問をいくら掲げたところで企業の本音は“高齢者より若い人が欲しい”のが紛れもない事実なのです。だからこそ、高齢者の中途採用にだけポイントを絞った人事担当者向けの講習会には非常に興味があるというわけです。結局のところ、高齢者雇用=継続雇用でしか機能していないわけだし、どの企業担当者も中途採用にシフトするためにはどうしたらよいのか知恵が欲しいので、今までにない視点の講習ということで注目しているわけです。そして中高齢者は「年齢の壁」を嘆くよりも、「何故年齢の壁があるのか」を考えるべきでしょう。1人でもこういう中高齢者に嫌な思いをさせられると、企業も「もうエイジレスはこりごり…」になってしまいますからね。それさえなければ企業は中高齢者を普通に採用していたはずだと思いますよ。

 

できるだけ年齢不問で採用されるように企業側に努力要請しますが、労働者側も色々要因を考えて改善していかないといくら労働力不足のご時世とはいえ、外国人や学生もいるのですから国策としてかなり難しい問題だと思っています。

 

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