昨今の就職活動で使用される履歴書は、市販ものよりも各企業が独自に用意していることが多くあります。履歴書の提出を求めるメールやマイページ(各企業が就職を希望する学生に向けて用意した特設サイト)には、必ずと言っていいほど履歴書のテンプレートが添えられているのです。独自に用意しているだけに、その履歴書項目には企業が本当に知りたいことが大きく反映されていると考えられます。最近の履歴書を見ていると、多くの企業が資格を列挙する項目以外に英語の能力を問う項目を載せています。その内容は、単純に英検何級をもっているか、TOEICは何点かを問うものから、会話能力や多言語の学習状況を問うもの、さらには海外への渡航経験の有無のような高度な質問まで多岐にわたります。この質問項目のボリュームの程度から、企業の特色や英語能力をどのくらい重要視しているのかが見えてきました。まず、外国人労働者の割合が増えている、もしくはこれから増やそうと考えている企業の場合、英検やTOEICの点数を質問項目に挙げている割合が高いです。また、大企業であれば、海外進出している場合が多く、むしろ履歴書などで点数を問わずに、採用試験の受験資格としてTOEIC600点以上などの足切を行っていることも多々あります。会話能力や海外への渡航経験の有無を質問している場合は、実はTOEICなどの試験結果はあまり重要視しないことが多いです。この質問をする企業は、その採用活動で雇用した人が海外の支社へ駐在できそうな人材であるか、外国人労働者とコミュニケーションをとることが可能であるかどうかを最優先としています。筆記試験が苦手でも、英語が堪能である人や、文化の違いに理解があり海外でも抵抗なく働ける人であれば、たとえ英語の読み書きが苦手でも採用の可能性は十分にあると考えられます。
----------------------------------------
----------------------------------------
