コンビニの24時間営業論争を各メディアで最近よく見かける。オフィスタでも数年前にコンビニでいくらの時給なら働きますかというアンケートを実施したことがある。(1~2日ならともかく長期でずっと働くのは)時給3千円でもやりたくないという意見もあり、コンビニのビジネスモデルは労働力不足を受けて近いうちに崩壊すると思っていたが、そんな予感も現実味を帯びてきた。何年も前からコンビニのオーナーから派遣で人材を補充して欲しいとか、詳しく話を聞きたいと問い合わせの依頼はあったものの、成約した店舗例はない。話を聞きたいということで営業に伺って相談を受けることがあるが、どのオーナーも揃って共通しているのは、
①アルバイトの時給相場や労働雇用に関する知識がズレている。労働法の専門知識を要求するのは酷だと思うが、中には「労働法は私は嫌いだ」と主張しどうやら法律がそもそも存在しない治外法権の店舗も多数あるようである。
②これでは派遣では到底金銭的にも活用は難しいのだが、会話の中で出てくるのは「本部の直系の派遣は安い」というセリフが気になっていた。どうやら破格の金額で本部から派遣できるシステムがあるらしい、一方でなら何故それを使わないのかという疑問もあった。内情はわからないが、最近報道などで葬儀の時など緊急時だけ本部の人間が派遣されるシステムがあるようなことを聞いたがこれのことを言っていたのだろうか。最低賃金以下でも「うちではこの金額で決めている」など本部の緊急応援と派遣業者を一緒にされてはかなわない。
…ということで、バイト料金が高い安い以前に雇用環境の整備からまずは始めないと人材獲得は困難だという印象は持っていました。このような雇用環境の下ではバイトテロも起きて当然かもしれない。
コンビニは住民票や印鑑証明などの発行や緊急災害時相談を含めて、社会インフラとしてなくてはならない存在になっているので24時間営業は望まれるところです。何故アルバイトが集まらないのかを考えてみたときに、このあれもこれも何でも屋的なサービスが働き手を敬遠させてしまう。実は私も学生時代にセブンイレブンで深夜のバイトをしたことがあったが、やるべきことが多すぎて経験したアルバイトの中では(パン屋さんの次に)ハードな職場でした。雑誌なども扱うため肉体労働的な部分も多分にあり、若い頃でさえそうなのだから、主婦や高齢者には尚更敷居が高い(しかも当時よりも商品数もサービスも多岐にわたっているだろうし)。事務職パート時給1,200円とコンビニ深夜バイト1,150円で比較されてはコンビニに勝ち目はないはずである。
最近は外国人のアルバイトが目立つが、日本人が嫌がる部分を彼らにばかり押し付けていると、最も恐ろしいのは外国人労働者が徒党を組んでボイコットを始めたら日本の流通が危うくなる。日本人は自分たちに頼らざるを得ないと知ってしまえば強硬的ボイコットに対しコンビニや飲食店のオーナーなど勝てるわけもない(大体、先導する者が自然発生的にどこからともなく出てきて入れ知恵して煽るものである)。
もちろんコンビニ・オーナーは経済的にも厳しく、アルバイト時給も高騰すればビジネスモデルとしてはほぼ成り立っていないし、精神的・肉体的・経済的な限界に達しているのはお察しします。現行のコンビニのシステムを変えていかないとコンビニ自体が継続できない状況もわかっているはずです。店舗の売上高から商品原価を差し引いた粗利益を本部と分け合い、その中からアルバイトの人件費や水道光熱代、食品廃棄ロスを引いた残りが儲けで、本部が受け取る粗利益の割合は6割とも報道されていた。24時間営業する加盟店は、深夜にお客が少ないとアルバイトの人件費などに持っていかれ、その時間帯は下手をするとマイナスになりかねない。当然のことである。オーナーの労働時間も半端ではない。1カ月300~350時間、夫婦で働き妻が過労で倒れたというニュースもよく聞く。あの空間で来る日も来る日も休みもなく朝昼夕夜いられるものだろうか、そんな人生が何十年もずっと続くと想像してみてください、デスクワークで1,200円も時給を貰っている人達はありがたみが身に染みて分かるのではないでしょうか。
ここで、普通なら働きすぎとか労働法違反と言いたいところですが、加盟店主は“労働者”ではないのだろうか。本部側は「オーナーが労働者だというとんでもない動きが進んでいる。もしそんなことを認めたらコンビニというビジネスモデルが崩壊してしまう。絶対にあってはならないことだ」という意見を出している。法的には一人親方や請負と一緒で雇用された労働者(いわゆる社員)とは言えないだろう。派遣でも偽装請負という違法行為があるが、この一人親方とか請負とかいう類のものが出てくると労働法の中では一番やっかいなグレーゾーンなのである。FC制度も根底を辿ればここに行き着く、またはここから派生したと言えるのである。
そこで、オーナーに対してバイト人材を派遣するのはありきたりでつまらないし先述のとおり①②の状況から難しそうなので、コンビニ本部にオーナーにあたるポジションの人材を派遣するというのであればいいかもしれない。派遣会社主導で雇用環境の整理や労務管理も行われるので健全化は図れそうです。指揮命令は本部が行い、労務管理は派遣会社が行えば今よりずっと健康的なビジネスモデルはできるだろう。但し、コンビニオーナーという職がこの世から消え、コンビニ本部の取り分が6割から3~4割に目減りするかもしれないが…。はたまたコンビニオーナーを人生の選択肢に選ぶ者なんて居なくなり、コンビニ本部自体も存続生き残りに賭けるなら現実的にあり得るシステムなのかもしれない。
人材派遣の活用はあらゆる場面で奥が深いなと考えさせられる。ただ、個人的には素人考えですが大手コンビニ3社が合併して店舗数減らして競争なくせば良いだけのことだと思う。巨大産業の利権は良く知りませんが…。
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