先日、とある高級フレンチ料理店に行く機会がありました。ギャルソンのしっかりしたマナーや身だしなみ・言葉使いなどを見て一言、「さすが一流の高級店だけのことはある」と驚いたものです。席に座るだけでも数万円という超高級店でしたが、ギャルソンをみただけで「きっと素晴らしい料理が出てくるのだろう」と期待させられました。ハケン会社もいわゆるサービス業ですので、日々いたるところで“サービス“ということは意識しながら情報収集に努めておりますが、サービスって一体何だろうと、ふと感じます。サービスとは、効用や満足などを提供する、形のない財のことであり、役務でもあります。形がないからこそ定義が難しい。相手が満足しなければひとりよがりな一方的な役務でありサービスとはいえない。仕事においてサービスとは何かを見つけ出すのは、ある意味とても難しいことなのかもしれませんね。ファミリーレストランでもサービスはしている、高級レストランでも当然サービスはしている。同じサービスでも受ける満足感の違いはどこからくるのだろうかと疑問に思う。
サービスの対になるのはマナーである。ドレスコードに従い正装が入店条件である。当然大声で話したり、マナーの出来ていない食事方法はご法度だ。いくらお客であろうとサービスの対象外と判断されれば門前払いである。マナーのある者にはサービスを提供する、サービスを受けるにはマナーをもって当たらなければならない、この関係性がファミレスと高級店の差だろう。ファミレス感覚で高級店に赴けばサービスは提供されないし満足できるものではないと思う。先般、有名シェフの店で水を頼んだら料金を取られたという騒ぎがネットを賑わせていたが、サービスをする側とサービスを受ける者のマナーのギャップが生んだ事件のような気がする。一言で言えば客は“行く店を間違えたのだ”、店側は“入店させる相手を間違えたのだ“。
サービスとマナーが両者揃って初めて互いの利益になると思う。これは何も飲食店だけの事ではない。すべての会社でいたるところに“サービス”は存在する。当然、事務職であったとしても業務上サービスが必要な場面は多々ある。来客応対でも電話の取次ぎでもあらゆる所で求められるはずだ。逆にあらゆる場面でサービスを受ける機会もあるという事であり、日頃からサービスとマナーの両者を身に付けて生活する必要が社会人スキルとして求められているのだと思うと身が引き締まる感じです。たまたま誘われて行ったレストランでしたが、業界は違っても同じサービス業という事で考えさせられる良い機会でした。プライベートくらいは仕事の事を忘れてゆっくり食事を楽しめばいいのにと言われてしまえばそれまでのことですが・・・。