第269話「プロとアマ」 | OFFiSTA オフィスタ・ブログ

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はたらく女性/育児とお仕事がメイン・コンセプトのハケン会社オフィスタです。
ここでは派遣のお仕事についてハケン会社の立場から日々思ったこと・感じたことを綴ってみるWeeklyコラムです。

 夏の甲子園は夏の風物詩とでも言いましょうか、TVを見ているだけで夏だな~と感じてしまいます。職場でも毎年熱戦はTV中継をかけています。野球が見たいならプロ野球を見ればいいではないかという気もしますが、どうもプロ野球と高校野球は似て非なるもののような気がしている。第一に負けたら終わりの一発勝負という懸命さが違います。だからこそ全力でプレーして悲喜があるところに高校野球の感動があると思います。プロ野球選手が一塁にヘッドスライディングすることはまずないし、内野ゴロで一塁まで全力疾走することもまずない。プロなのだから明日も明後日も試合はあるし、それで生活をしている以上、無茶して怪我をしたり一回のプレーに全てを懸けていたら身が持たないのは当然である。今日は負けても3連戦なら明日明後日も同一カードはあるし、来年も同一カードはあるので試合に負ける度に泣き崩れるプロ野球チームなど居ないだろう(負けても試合後に飲食に繰り出して遊ぶ選手たちの週刊誌記事は少々幻滅するが、いわゆるサラリーマンのアフターファイブと同じで選手にしてみれば仕事帰りに何をしようと自由は自由だが)。なによりも1年通して優勝することが目的なのだから、負けたら終わりのトーナメントとは意識も違う。負けたら次はないかもしれないというギリギリの勝負がスポーツの醍醐味であり感動が生まれる諸因なのではないかと思います。普段プロ野球は見ない人でも日本シリーズは興味がある、Jリーグの公式戦よりもワールドカップの方がおもしろい、ボクシングでも世界タイトルマッチはワクワクするという人など、皆どこかで一発勝負のギリギリの試合に魅かれるものです。


 最近は高校生でも140150キロを投げたり、スタンドまで軽々と運ぶ飛距離を誇るプロ顔負けの選手も多いが、高校野球を見た後にプロ野球を見ると感じるのは余裕感ではないかと思う。高校野球にもプロかと思うような秀でた選手もいるが、グラウンドの9名が全てプロレベルのチームはないだろう。あくまで部活動の一環なのだし、助け合いやチームワークを重視するのが高校野球の教育趣旨でもあるだろうから、これはこれで感動を与えてくれる面もある。プロ野球なら投球数は管理されていて肩を壊してまで無理して続投という場面はないだろうし、後を任されるリリーフさえも先発を凌ぐ一流の選手が出てくる。野手のプレーも観ていてやはり安定感があり、エラーする感じがしないというのはさすがプロだなとつくづく感じる。これまでの経験や練習量はアマチュアとは比にならないだろうし、客からお金を取ってプレーを見せている以上当然ではあるが。プロはエラーすると査定で減俸になるかもしれない危機感はある、もしかしたら二軍落ちでプロ生活すら危ぶまれるかもしれない、そういうプロなりのギリギリ感はあると思うが“金”に直結する生死を分けたギリギリ感と言うのは案外観るものを感動させないのは不思議と言えば不思議である。判定に不服があれば時には審判に文句を言うこともあるし退場になる選手もいる。生活・収入がかかっているのだから必死なのは当然である。しかし「結局は自分の“金”のためかよ・・・」と思えば興ざめしてしまうのがファンというもの。同じスポーツでもプロである以上、選手が求めているものとファンが求めているものに時に温度差があることがある。高校野球が美しいのは、金が儲かるわけでもないのに全力でプレーする高校生の姿に清々しさに見るものが感動させられるからだというのは分かる気がする。プロとアマの最大の違いは“それで食べている、収入・金を得ているかどうか”という点だけだと思います。


この世の中にプロと呼ばれる者は数多く居る。要するに給料をもらっている以上、皆何かしらのプロなのである。プロであればそれで生活しているのだから“金”へのこだわりがなければならない。一方でプロとして求められているものを見せなければならない。両方が揃っている者が本当のプロなのだが、みなさんはいかがでしょうか。プロであるにもかかわらずどこかでアマチュアな部分があるのではないでしょうか。良いプレーができなかったり結果が出せていない者が金にこだわるのはおかしいし、成果を出せる能力があり結果を残しているのに金へのこだわりがない者など、これらはプロフェッショナルではないと言えるのではないでしょうか。個人的には高校野球のように純粋に感動だけを追い求めたプレーがしたいですが、生きるためにはプロ野球のようなスタイルも割り切らねばならない点、世に生きる者なら誰しも抱くジレンマがあるからこそ高校野球が眩しく映るのかもしれませんね・・・。会社においても仕事の楽しさや感動を追求するなら無給のボランティアを求めれば得られると思います、給料を得るにはプロとして時には周囲から嫌らしいと思われる金への執着と仕事への割り切りが必要かもしれません。会社でも仕事でもスポーツでもなんでもそうだと思いますが、自分はプロなのか、アマなのかははっきり自覚しておいた方がいいでしょう。仕事の楽しみ感動を得つつ給料も欲しいという虫の良い話は成り立たないでしょうからね。野球に例えれば社会人野球が注目されていないのがその証拠かもしれません・・・。


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