みなさま明けましておめでとうございます。
昨年は(社)日本雇用環境整備機構(JEE)の活動にご支援ご協力いただきありがとうございます。まずは、2012年の障害者雇用率は過去最高を更新したこと、その中でも発達障がいを持つ方の就労が進んだことを報告したいと思います。もちろん就職活動を長く続けているのに、うまくいかないと思っている方も多いかもしれませんし、過去最高の水準といっても全体の雇用からするとまだほんの一部でしかありません。しかし、発達障がいの特性を理解し、発達障がいを持つ方々を中心に、積極的に雇用する企業が増えてきたことは特筆に値すべきことです。しかも最初から正社員として採用されるケースも見られるようになり、その方の持つ本来の能力がきちんと評価されるようになってきたことを感じます。
発達障がいを持つ社員ばかりの職場も増えてきているようですが、特例子会社などの配慮が得られやすい職場で働くほうが安心できる人もいれば、一般の職場で働きたいと思う人もいるはずです。私個人はダイバーシティ(多様性)&インクルージョン(包括的な職場環境づくり)が理想と考えています。どのくらい先のことになるかはわかりませんが、将来はどこの職場にも発達障がいを持つ人が受け入れられ、活躍している光景を思い浮かべます。この夢を現実にできるよう今後も活動していきたいと思います。相談にみえる方々の中には専門的な経験を持つ方も多く、そのほとんどはちょっとしたことをきっかけに挫折した経験を持ち、診断を得る前は一般就労していた方ばかりです。安心して仕事ができる環境さえ整っていれば活躍できていたに違いありません。教育の分野に比較して、社会ではまだ発達障がいへの理解が進んでいないと嘆いてきましたが、最近の雇用の進み具合を見るかぎり、本年は理解も加速度的に進んでいくのではないかと思います。
私の専門が障がい者雇用であることと、その中でも発達障がいを持つ方の就職支援に力を入れているため、少々障がい者雇用に偏ってしまいましたが、育児者・エイジレス(35歳以上)の雇用も同様にこれまで以上に取り組んでいきたいと思っております。
今年も育児・障がい・エイジレス雇用の普及啓発・研究・活動に深いご理解とご支援を頂けますよう宜しくお願い申し上げます。併せて、みなさまのご発展をお祈りいたしますとともに、新年のご挨拶に代えさせていただきます。
平成二十五年元旦
(社)日本雇用環境整備機構
理事長 石井京子
(機構事務局:オフィスタ)