先日アップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏の訃報がニュースで流れていましたが、ついついAppleパソコンを思い出してしまいました。今ではiPhoneやiPadのイメージが強いですが、アップルといえばやっぱりパソコン。私が子供の頃はまだウインドウズがなくNEC、富士通、シャープと様々なメーカーがハードを販売しており、ハード毎にソフト開発がされてハード毎にソフト販売されていました。気に入ったソフトがあっても機種対応していなければ使えないという時代です。そんな中、圧倒的なソフト数を誇るアップル・コンピューターは憧れの的でした。TVゲーム・ゲームセンター全盛期においてアップルのアメリカナイズされたソフト群は子供たちの憧れであり、AppleⅡのハード・フォルムには国産にないセンスを感じていたものです。国産PCよりもずっと価格も高く秋葉原に行くたびに眺めていたものです。
「2人のスティーブ」というAppleパソコン(当時はまだマイコンとも呼ばれていました。マニアは「機」を付けて呼ぶのが当時お洒落。AppleⅡ機、AppleⅡc機など・・・)の解説本のようなものを買った記憶があります。カタログのボリューム版のようなものですが¥2,800円の大金を払って買ってきて(書籍にこんな高額を払ったのは初めてでした)、PC本体はとても手に入れられないので眺めて憧れてました。全く未知の分野を切り開いてアメリカン・ドリームを手にした2人の創業者の内容は印象強く残っています。まだビル・ゲイツが世に出る前のことでしたが、「ビジネス」「成功」というものを子供ながらに意識したのを覚えています。また、米国のオフィスにはアップルがありサラリーマン・OLが日常仕事で使っているというイメージも勝手にありましたし(そういうイメージ写真があったのでしょう)、職場で毎日アップルがタダで使えるサラリーマンになりたくて仕方がなかった時期もありました。
ウィンドウズの登場によりハードの垣根は取り除かれ、どのPCを購入してもそこそこ同じことが出来る時代。当時のビット機なんて比較にならない性能を有するまでに発展した現代パソコンで次第にアップル熱もいつの間にか冷めてましたが、でもあの頃のApple機の卓越したデザインやセンスを感じる機器には出会っていません。あのAppleⅡ(大きめのタイプライターのようなボディデザイン)に現在の性能を乗っけて復刻してくれないかな・・・と思っています。あの頃Appleに手が出ず秋葉原で憧れ眺めていた子供たち(いわゆるオタク)も今、同じような想いでニュースを観ているのではないかなと思いついつい書いてしまいました。職場の机上に当たり前のようにあるPCですが、一昔前はその光景で働くことに憧れていた1人の子供として色々と感慨深いニュースでした。