第144話「転職失敗・・・は勘違い?」 | OFFiSTA オフィスタ・ブログ

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ここでは派遣のお仕事についてハケン会社の立場から日々思ったこと・感じたことを綴ってみるWeeklyコラムです。

男性女性を問わず転職が失敗した・・・とお嘆きの方が多いようですが、そういった方のお話をまとめてみると結構共通項がありました。正社員案件がハローワーク等でも少ない状況なので、みなさん焦りもしますし仕方がない部分もあると思いますが、大きく以下の2点は良く耳にします。

①転職失敗した理由が社内の人間関係が良くないという理由。

②通勤面や諸条件が以前よりも良くないという理由。

まずここで、転職を失敗したと思うには何かと比較して成功・失敗を判断しているのだと思いますが、その基準点は何でしょうか?

ほとんどの人が「最初に就職した企業」を基準として比較しているのです。


となれば①はナルホドな・・・という気がしてきます。新卒で入社した会社ならば当然色々知らなくて当たり前ということで周囲の人に何を聞いても教えてもらえる環境なのは当然です。新入社員は見るもの全てが新鮮でしょうし、周りも大事に可愛がってくれる環境だと思います。そして1年経てば後輩が入ってきて階段を一歩上がってという喜びを自分なりに感じていたことでしょう。当時は独身という方も多いことと思いますので、アフターファイブに食事をしたり同僚と買い物をしたりと公私アクティブな年齢代と位置付けられます。今まで仕事をしてきて楽しかった時代はいつですか?と聞けば「新卒1~2年目」が上位に出てくるのは当然なくらい鮮明に記憶に残っているはずです。そのくらい誰にとっても充実した時間だったというわけです。

対して転職というのは新人ではありますが、新卒ではありません。当然これまで培った経験・スキルを即戦力として求められるのは当然ですし、周囲の人間も可愛い可愛いというわけにはいかないでしょう。期待が大きければ叱咤もあるかもしれませんし、プレッシャーも感じるでしょうから、ついつい人間関係が粗悪と思いがちです。また、ご結婚していれば独身の時のように自由に使えるお金も時間もないでしょうから、ついつい同世代の同僚との人間関係が希薄に思えるでしょうし、「前の会社はみんな和気あいあいで楽しかったのに」とか「何を聞いても親切に教えてくれる人ばかりだったのに」などと言うのは単なる勘違いではないかと思えてなりません。


②の通勤面・諸条件もほぼ同様の理由ではないかと思います。若い頃は通勤1時間でも耐えられたはずです。それが結婚して育児・家事などのライフバランスの必要により、昔なら苦ではないと思っていたのに就業してみたら苦に感じるだけではないでしょうか。それだけ時間的な制約が発生したということです。または肉体的な衰えも当然関係してくることもありますので、成功と思える勤務地を求め始めたらそれこそ通勤圏10分とかキリがありません。諸条件も「休みが少ない」とか「福利厚生が少ない」といった制度的なことが多いようで、その大半は“新卒で入社した会社が大手企業だった”という人に見られる傾向です。意外なのが「給料が下がった」ので失敗した、という人が少ないことです。お給料は事前に了承してから入社するからでしょうか。いづれにしても諸制度面で比較するのは過去の大手企業への未練ではないかとも思いますし、お給料は調べるのに何故福利厚生は調べないのかということにもなりますので、この不況で正社員に焦ってしまった結果ではないかなと感じます。


確かに新卒で将来の夢や希望に胸を弾ませて門をくぐった最初の企業での勤務経験というのは誰にとっても輝かしい思い出だと思います。初めての社会人、見るもの全てが新鮮で、日々楽しかったことと思います。苦しかったことも今では良い思い出かもしれません。しかし、新卒という若かりし頃は二度と戻ることはないのです。そこからの成長を期待されて入社するわけですから、あの頃と比べたら何もかもが厳しく映るかもしれませんが、イコール転職失敗などと早々に決めつけないで欲しいと思います。一番怖いのが、あの頃と同じ会社・環境を求めて転職を繰り返す負のスパイラルに落ちないようにしてください。新卒を通り過ぎた者を新卒として採用してくれる企業は1社もありませんので、転職失敗したかな?と思った時は、過去の会社と比較しないで、“今現在の自分”の視点で一度冷静に見つめなおしてみてはどうでしょうか。転職失敗したと嘆くのは誰でもすぐに出来ますが、転職して成功したといえる人は転職後に努力した人だけですからね。


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