最近はワード・エクセルの普及で電子履歴書を作成する人が増えています。オフィスタでもメールでの迅速な効率化も考慮して積極的に電子履歴書を導入していますが、手書きの履歴書もまだまだ健在です。ご自宅にPCをお持ちでない方やPCが苦手という方が手書き履歴書をご利用するケースが多いようですが、中には手書きでの立派な履歴書をわざわざPDFに変換して送付されているのでPCスキルがあることを明示しつつ敢えて手書き履歴書を送りたいというその人のお考えが見えたり、電子履歴書に見慣れていると新鮮なときがあります。
ただ、手書き履歴書で気を付けなければいけないのは、字は人を表すと言われるように個人の履歴以外の部分も伝えてしまっていることに注意しましょう。
特に多いのが、写真を貼っていなかったり記入すべき欄が空白であったりといった部分です。つまり企業側に自身を審査して欲しいという願いを込めるのが履歴書であるにもかかわらず、自らノーコメントを宣言していることになります。最近の履歴書は自宅電話と携帯電話の記入欄がそれぞれあるようですが、例えばご自宅に電話がない場合は空欄にせずに「なし」等の記入をしましょう。字が綺麗かどうかは実はそれ程問題ではなく、一生懸命に書いているかどうかがポイントです。私ども人事に携わる人間は毎日何十枚も履歴書を見ていますので、一生懸命書いたが汚い字と、めんどくさそうに殴り書き(走り書き)をした字の違いは即座にわかってしまいます。後者の場合は経歴の如何に関わらず書類選考は厳しくなりますので、書類が通らない=また履歴書を書く=面倒くさい・・・の繰り返しになります。つまり就職活動で上手くいかないので履歴書が殴り書きになるということは、もしお仕事についた就業後も、業務が上手くいかなかったり面倒な業務は手を抜きがちな性格ということが読み取られてしまうので、いくら自己PRで「自分は丁寧な仕事を心掛けて・・・」と繕っても見破られてしまいます。
次に多いのが意外ではありますが、修正液で消したり、記入日を訂正している履歴書が多いのが目につきます。履歴書を1枚記入するのは大変な労力かと思いますが、企業担当者によっては修正液で修正してある履歴書はマイナス評価になるそうです。つまり1字でも間違えたら全面書直しを意識した集中力の有無が読み取れるそうです。また、間違えた時に一から書直す手間暇を惜しむか惜しまないかの熱意の度合いを読み取れるとのことです。修正液で修正している方は、就業後も「ここまで頑張ったんだから、まぁいいか」的な自己慈愛での雑な勤怠になることがここから読み取られてしまいます。記入日の訂正は、履歴書の使い回しを意味しているため論外と言えるでしょう。当然、就業後の勤務態度も誰の目にも明白ですよね。
また、電話番号欄や住所欄などは枠内に綺麗に納まっているでしょうか。始めは大きな字で、徐々に字が小さくなっていませんか?これは筆を走らす前に頭の中で「どの位の大きさの字で記入すれば枠内に綺麗に納まるか」を瞬間的に考えているかどうかを診断します。つまり、就業後に考えもせずに突き進んで作業を始めてしまう人かどうかが判断できます。記入はされているが空白が目立つ場合は、欄を埋めようとする熱意欠如とみなされ、就業後に与えられた作業以外には無関心な性格等の深層心理が読み取られてしまったりするそうです。
などなど、みなさんが思っている以上に手書きの履歴書というのは、その人の性格診断がなされてしまいます。知らず知らずのうちに自身の性格を伝えている書面であり、たかだか修正液で1文字だとしても、実は人事担当者はまさにそこを見ているんです。長年、人事考査をされている担当者は、“履歴書を見れば就業後の勤怠がはっきり見える”そうです。
これだけ読むと、「それなら電子履歴書の方が有利ではないか」と考える方もいるかと思いますが、逆にご自身の性格を売り込みたい人にとっては手書き履歴書を上手く活用すれば有利に作用する機会が増えるということでもありますので、試してみてはいかがでしょうか。