最近TVのニュースで少子化の特集がありました。
福島少子化担当大臣が少子化問題を改善するために尽力しているのは周知の通りで、子供を作っても安心な国作りを目指しましょうと叫ばれていますが、現在の少子化が“悪いことなのかどうか”という観点で組まれた番組でした。
そもそも人口とは文明によって左右されるようで、石器時代には3万人が生きていくのが精一杯だったようです。明治以降に急激に人口増加があったようですが、現在の日本での適正な人口は7000~7500万人なのだそうです。1億2千万人という人口密度は現在の日本文明の限界を越えており維持することが困難な状態であるので少子化は悪いことではなく、むしろ良いことであるとある大学教授が説いていました。
そもそも1億2千万人もの人口を維持できたのは20世紀の話しであり、自動車や電気製品が国内外で売れた時代だからであり、現在はインドで自動車は20万円で製造でき、電化製品も日本以外にも良質で安い製品を生み出す国はいくらでもあり、日本ブランドだからといって物が売れない時代になっているということが原因のようです。確かに日本は他国に比べて国土も狭いし人口密度も限界があると思いますが、こうした経済状況からも1億2千万人を維持できる国家力はないということらしいのです。
無理に維持しようとすればほころびが出るのは当然で、それが年金問題であったり、環境問題であったり、ひいては自給自足による生物生態系の破壊など色々と諸問題を生み出しそうですと言われれば、なるほどなと見ていたのですが。
ふと思い出したのが、ネズミは自分たちが生きていくための絶対数を越えると集団自殺をして自ら自分たちの数を減らす本能があるそうです。もしかしたら現在の少子化も知らず知らずのうちに人間の本能がそうさせているのかなとも思いましたが。
「少子化は悪いことだと思いますか?良いことだと思いますか?」考えたこともなかったのでよろしかったらみなさまもどうぞ考えてみてください。
ただ労働力という観点で見れば少子化により次世代労働力が減少することは間違いない事実です。限られた人口で一定の労働力を国家が必要とするならば、次世代の労働力の中心として台頭してくるのは間違いなく“現在、労働力の中心ではない方”です。将来の労働力として注目されている隠れた労働力を国では「潜在的労働力」と呼んでおり、これは専業主婦・障がい者・高齢者といった国が将来頼らざるを得ない眠っている人材を基本的に指しています。
現在の「育児中だから就業の壁がある」とか「障がい者雇用は企業では難しい」、「スキルがあるのに年齢で落とされてしまう」などの諸問題はこの先20年後30年後には「そんなことを言われる時代があったなんて信じられない」とTVのニュースで取り上げられている時代が来るのかもしれませんね。