電話の応対というのは一般事務職でお仕事をするうえで欠かすことのできない業務の1つです。「電話が鳴ったら取ってください」と言われるのは殆どどこの職場でも同じだと思います。電話の応対・取り次ぎというのは職場の大切なお仕事の1つですが、若い人から先に電話を取るという慣習は今も昔も変わりません。
先日、あるお客様である企業のご担当者とお話しの際に、「電話の応対で本当に効率が良いのはベテラン社員から優先的に受話器を取ることである」というご意見をお聞きして非常に感銘を受けたものです。
なるほど新人が応対しても、相手方のお問い合わせに対して結局、ベテラン社員の方に尋ねたり電話を回すことになりますので、ベテラン社員が電話にまず応対すれば相手方をお待たせするような事も減るし、このわずかな時間も年間で累計すれば何十時間もの無駄にも相当するであろうことはもっともなお考えであるなと思いました。
新人の方は先輩社員の対応をまずは見聞きすることによって知識を深め習得していくことが理想であり、業務の円滑化・効率化が図れることは間違いないかもしれません。
米国では電話を回していく時間が非効率であるということで、各自1台それぞれ直通番号を導入している企業が増えているそうです。電話に出るも出ないも自分次第といういかにもアメリカ的な感覚ですが。
ではそもそも何故、電話は若い人や新人社員から優先的に取っていくという風潮が日本であたりまえになったのでしょうか。少々興味がありましたので色々と調べてみましたところ、昔(かなり昔のことだと思います)は電話機が普及していないまだ電話が珍しい時代には、組織の上層部の方だけが使うことがステータスだったようです。つまり昔は偉い人しか電話を使えなかったらしいのです。それが次第に電話の普及に伴い誰でも気軽に電話ができるようになると必然的に「間違い電話」や「大したことではない用事の電話」が増えてきて、上層部の人はその対応は面倒であるため、部下に電話を取らせるようになったそうです。部下はそのまた部下に・・・というような過程で昭和の初めには既に「電話は下の者が取るべき」なる慣習がどの会社でも当たり前になったそうです。確かに役職が上になればなる程、業務量は増えその責任も大きくなる中で「間違い電話」の対応などはしている余裕はないでしょう。
電話を最初に取るということは会社にとって、相手方との最初のコンタクト・ポイントになるわけですから重要度は高いはずなのですが、雑務の代表格のように捉えられていることに改めて疑問符でした。かくいう私もこのようなご意見をお聞きするまでは、それが組織で当り前のように捉えていたわけですから。
今すぐに「電話はベテランから取っていく」というシステムに切り替えるのは日本では現実的ではなさそうですので、せめてオフィスタではスタッフのみなさんに「電話応対」は「取り次ぎ」ではなく「応対することが目的」であり企業内での電話の重要度を改めて周知して先輩社員の対応を常に見聞きし自分のものにしていけるように意識改革していかなければならないと実感した出来事でありました。