blogを書けと言われたので「スナップショットで8&6弦ギター用プリセットを切り替える」の話。
blogを書けと言われたので「スナップショットで8&6弦ギター用プリセットを切り替える」の話です。
今回もタイトル通りの内容になる予定。うん。最近タイトルが長いな。
そして前回の続き、になると思います。
楽器ネタでも良いから書け! ってスタッフは言っているのでいいよねッ!
さて、今回。
前に作った8弦&6弦用プリセットを利用しますよ-。
Line6 Helix/HXSTOMPの便利機能「スナップショット」も使います。
これがなかなか良い感じ、かも。
プリセット・コンセプト。
今回のプリセットにもコンセプトがあります。
それは 8&6弦用プリセットをひとつにまとめる です。
「ひとつのプリセット内に8&6弦用に設定したアンプを用意。スナップショットで各種パラメータを変更することで〈8弦リフ用/8弦リード用〉と〈6弦リフ用/6弦リード用〉の4種のサウンドバリエーションを作り上げる」訳っすね。
ここ最近「8弦ギター1本で弾き倒す!」がテーマになっておりまして。
変則チューニング以外、6弦レギュラーチューニングで演奏可能なケースだと持ち替えずに8弦で弾いています。1~6弦部分は6弦ギターと変わらない訳ですもの。……まあ、いちいち持ち換えるのが面倒臭いっすからね。
当然ですが、Helix/HXSTOMPのプリセットは8/6弦用を切り替えます。
例えば8弦ギターの7~8弦まで使ったリフは8弦リフ用プリセット。
1~6弦を使ったリフは6弦リフ用。
1~6弦を使ったリードプレイは6弦リード用。
DAWで録音するときは、こんな感じにHX EDIT上で適宜切り替えます。
音源に合わせて弾く場合はフレーズの隙間を狙ってフットスイッチを踏んで、プリセットを切り替えるパターンになります。
が、なんとなーく〈1プリセットに纏めて、スナップショットで切り替えるパターン〉もあったら便利かなぁと考えました。プリセット切り替えだと音切れするときもありますからね。スナップショットなら音切れ知らず!
そこでサクッと作成したのが今回のプリセットです。
8&6弦用プリセットをワンパックにしつつ、そこに「Helix/HXSTOMP両方で使えるよう、ブロック数を8に留める」ことも条件に加えました。どっちでも使えるのならそれに越したことがないっすからね。ええ。
ただHXSTOMPはスナップショットが3つまでしか使えないので、4つめに設定した8弦リードは使用不可に(Helixで作成したスナップショット4つ入り・プリセットデータをHXSTOMPへインポートすると、自動的に1から3のスナップショットのみになります)。
ま、ここは仕方ない部分ですので、スルー!
完成したものがこちら。
どこぞの料理番組みたいにお出しする。
Helix/HXSTOMPを使ったことないと、何が何やらかも……。
そこは無視して話を進めます。
ブロックは全部で8つ。頭から説明すると
ギターシグナル直後部分
・ブースター(6弦リフ用と6弦リード用 2種のスナップショット。8弦は6弦リフ用)
・シグナル分岐(上段Aと下段B)
上段(Aルート)
・6弦用アンプヘッド(リフ用とリード用 2種のスナップショット)
・ボリュームペダル(100%と0%スナップショット)
下段(Bルート)
・8弦用アンプヘッド(リフ用とリード用 2種のスナップショット)
・ボリュームペダル(100%と0%スナップショット)
A/Bルート合流後
・ディレイ(オン・オフ 2種のスナップショット)
・キャビネット(6弦用と8弦用 2種のスナップショット)
・EQ(ミドルブースト)
になります。おお。シンプルだけどちゃんと切り替わって効果大。
ルートが代わっている/ブロックのオンオフ、各パラメータ設定が確認出来ますでしょうか? またスナップショットマーク(白いカメラマーク)もご確認下さい。
しかしメタルサウンドからクランチまで野郎と思ったらイケる、かもしんない!
大事なポイント。
このルーティングで大事なポイントがあります。
それはアンプヘッドの後、それぞれにひとつずつボリュームペダルブロックを置いていること。
下の画像をチェックしてみて下さい。
表示されているのは、どちらもAルートのボリュームペダルブロックパラメータですが、一枚目は6弦リフ用(Aルート)、二枚目は8弦用(Bルート)に切り替えた際の状態です。
Aルート使用時は、Aルートのアンプヘッドブロック側のボリュームは全開。
Bルート使用時は、Aルートのアンプヘッドブロック側のボリュームが完全に閉じられているのが、分かりますでしょうか?(当然、Bルートへ切り替えた際は逆の挙動をします)
どうしてこんな面倒なことをしているか。
それはそれぞれのアンプブロックを通るシグナルの管理をするためです。
〈アンプを完全に切り替えたいので、使わない方のシグナルを完全遮断!〉するには、Split設定だけだとそれが不可能なのですよ。
・使わないルートのブロックはオフ
・Splitで分岐
この二つを行った上でも、使わないルートに置かれたブロックはシグナルが通ります。それだけではなく、ブロックをオフにしていてもシグナルが変化します。これは実機と同じく。
結果、音を出したいアンプを通ったシグナル+音を出したくないアンプを通ったシグナル、両方がミックスされた音がミックスされた状態で出力されてしまい、意図しないサウンドになります。げげえ。
対策として〈アンプブロックの直後にボリュームペダルブロックを使用し、任意で使わない方のアンプシグナルを0にして完全カットする〉仕組みを取り入れました。
ボリュームペダルブロックでシグナルの管理/整頓する、って感じっす。
Aルートのアンプを使うなら、こちらのボリュームペダルは〈100〉。Bルートは〈0〉。
Bルートのアンプを使うなら、こちらのボリュームペダルは〈100〉。Aルートは〈0〉。
スナップショットで同時切り替えを設定しておくのです。
このときは筐体に装着されているエクスプレッションペダルや、外部取り付けのエクスプレッションペダルを紐付けしないほうがベターです。
ボリュームペダルが使いたいなら、もうひとつボリュームペダルブロックを置き、筐体に装着されているエクスプレッションペダル/外部取り付けのエクスプレッションペダルを有効にさせればOKです。ただしブロック数を喰うので、HXSTOMPの場合は辛いかも。わたくしは実機のボリュームペダルを使っています。楽だから。
おっと、話を戻しましょう。
この「影響させたくないブロックシグナルをボリュームペダルで完全遮断する」方法は、他にも使いどころが多いはずです。例えば、ワウペダルブロック。置くだけで音が変化してしまうので、シグナル分岐させてバイパスさせるとか。
そうなんです。このパターンを覚えておくと〈普段シグナルを通したくないブロックは基本的に遮断。使うときだけルートを切り替える〉などの応用がききます。
因みに合流点はデフォルトのパラメータのままです。
特に何もしていません。
とはいえ、単体プリセットと比べると僅かに音が変わっているんですけどね。
極々僅か、誤差的(?)な感じなので、問題なし! ということにしておきます。
スナップショット。
HXSTOMPではスナップショットが3つまでなので、こんな感じに。
1が6弦バック用。
2が6弦リード用。
3が8弦バック用になっています。
それぞれ、こんな設定になっています。
1)
ディレイオフ
ブースター(6弦リフ用パラメータ)
6弦用アンプ(リフ用パラメータ)
キャビ(6弦用パラメータ)
2)
ディレイオン
ブースター(6弦リード用パラメータ)
6弦用アンプ(リード用パラメータ)
キャビ(6弦用パラメータ)
3)
ディレイオフ
ブースター(6弦リフ用パラメータ)
8弦用アンプ(リフ用パラメータ)
キャビ(8弦用パラメータ)
見えないところで結構パラメータが変わっているのです。
リード用だと、アンプ側もゲインアップしつつMiddleを若干上げる、とか。
スナップショット設定の詳細は、マニュアルやネットを参照下さい。
変更せよ!
今回例に出したのは、個人的な8&6弦プリセットです。
8弦ギター+外部にボリュームペダルを繋ぐ用の設定になっています。
歪み量をボリュームペダルで調整する前提のものですね。だから、結構シンプルな構成なのです(余談ですが、わたくし、ギター本体もシンプルなものを好むようです。2ハム・ワンボリューム、セレクタースイッチ程度のヤツとか。トーンノブとかハーフトーンとかコイルタップとか、付いてたら使いますけれども!)。もしクリーンやクランチが欲しかったら、別途プリセットを組めば良いと考えています。もう少しブロックを増やして。
そういった複雑化したルーティング、別の使い方をするのなら、この8&6弦用をベースに、ガンガン変更を加えても良いと思います。
アンプヘッドは8&6弦用とせず〈ハイゲイン&クリーン〉にしたり〈クリーン系アンプ2種切り替え〉にしたりと、活用法は多いはずです。
もちろん、ブースターやEQを取り去ってから、空いたところへ好きなエフェクツブロックを置くのもアリ。或いはアンプ+キャビブロックにしてキャビブロックを削るとか。
HXSTOMPはブロック数が8と制限されますから、ここは工夫のしどころです。Helixなら余裕があるので、そこまで節約しなくてよいのが使うメリットのひとつになるでしょうねー。
ともかく、このルーティングをベースに考えると、いろいろな使い方が出来るはずです。
実アンプへリターン差しでも応用できるかと存じます。
いろいろお試し下さい。
きっと楽しいアイデアが浮かんできますよう。
――ってことで、Helixで応用したのがこれ。
アンプはハイゲイン&クリーンクランチ系。
ディレイ2種はシンプルなものと、モジュレーション系になっています(だから、それぞれのシグナルを遮断ルーティングにしています)。
そしてスナップショットは8つバージョンにしました。
6弦用パラメータとして設定し「ハードロックからメタル+クリーンクランチによるストラミングやらリードプレイやら想定したプリセット」になっています。
歪み系エフェクツを足して使い分けたり、オクタ-バーやフェイザー辺りを加えて飛び道具サウンドにしたりなど、まだまだ拡張できそうです。
テスト用ギターは前述の通り6弦ですが、CaparisonのDellingerです。これはコイルタップできるのでシングルピックアップ風の音も出せます。だから、オールマイティ的なプリセットのテストにはうってつけ! センターピックアップ+ネック側ピックアップのミックスとか楽しいっす。
しかし、Line6のAristocratアンプはいいなぁ。
と言いつつ、基本的にハイゲインアンプかクリーンクランチ系アンプにディレイ付ければ十分な人間なので、コンプレッサーやらコーラスやらモジュレーションディレイを加えるのはなかなかのチャレンジです。というか、どれをどうしたらどうなるのか、よくわからなーい。
そんな機材知識がないわたくしても、それなりに良い音が設定できるのがHelix/HXSTOMPの凄いところであります。
ってところで締め。