人口爆発と少子化 元警察庁長官 松本光弘 | 尾張エクセルの「日々精進ブログ」

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小生が愛読する日経新聞の6月19日付けの夕刊一面のコラム「あすへの話題」に
掲載された「元警察庁長官;松本光弘氏の『人口爆発と少子化』」には、なかなか
興味をひかれたので、一部加筆の上で紹介する。
生まれた年の日本の人口を調べてみたら、1億人に満たない。両親が生まれた頃は
今の半分ほど、サステナブル社会の江戸時代には更に半分程度だった。
今 80億人を超える世界人口は、50年前には約半分、百年前はその半分。世界は
人口爆発中だ。
戦前の日本も過剰人口に悩み、多数の移民を送り出していた。近代化が進むと 少子
化するのは人口学の基本法則である。移民も、移民先では同じだ。貧しい多産多死
社会に生まれる人が幸せとも思えない。
1人あたりの豊かさを「GDP÷人口」とするならば、人口が減ると ― より大きく
GDPが減らなければ―、希少になった各人は豊かになる。「ペスト」による人口
激減は産業革命への道を開いたという説さえある。
少子化は 強権国家にも反転はできないが、今の産業構造で豊かに養える人口限度に
達したと考えると、将来、生産力が上がれば反転する可能性もある。
しかし、しばらくは人口減少と高齢化が進むことを前提に社会保障や税、インフラ
の仕組みを変えるしかない。人手不足は、「AIやロボティクス」の進歩,活用で
補い得る分野も多い。生産性を上げるための教育、人材育成も肝要だ。
高齢者も働く ―生産年齢の定義も改めるべき― ことが社会の維持に必要な時代が、
当面は続く。年功序列を改める一方、定年で給与減額という年齢差別もせず、同価
値を生む労働には同対価を払う必要がある。
老化〝治療〟の研究も進んでいる。高齢者は健康維持に努めて健康保険への負担を
減らし、何らかの形で社会に寄与、納税することを目指したいところだ。若者も、
自分がいずれ年を取ることを忘れてはいけない。