デフレ脱却の理想と現実 | 尾張エクセルの「日々精進ブログ」

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小生が愛読する日経新聞5月14日付け夕刊マーケット・投資欄のコラム【十字路】
に掲載された「デフレ脱却の理想と現実」は、なかなか面白かったので、一部加筆
の上で引用して紹介する。
 
消費者物価上昇率は、日銀が注目する「コア(生鮮食品を除く総合)」で、目標の
前年比2%を超えて丸2年が過ぎた。しかし、政府は4月23日の月例経済報告に
おいても「デフレ脱却宣言」を見送った。
日銀も、4月25~26日の金融政策決定会合では利上げを見送った。「基調的な
物価上昇率」はまだ2%に達しておらず、デフレに後戻りする懸念を払拭できない
ということである。
政府や日銀が理想とするデフレ脱却の姿とは、需要の拡大にて需給ギャップが縮小
して物価上昇圧力が高まり、企業は値上がり期待も追い風に設備投資を拡大、雇用
確保のため賃金を引き上げ、個人消費も増えるという好循環なのだろう。
政府はデフレ脱却の判断材料として、消費者物価のほか、需給ギャップ、国内要因
の物価変動を表すGDPデフレーター、賃金指標ともいえるユニット・レイバー・
コストを挙げている。これからも「デマンド・プル型の物価上昇を目指している」
ことが読み取れる。
ただ実際は、物価上昇は海外発の食料品やエネルギー価格の上昇に円安が加わった
ものであり、賃金は上昇しても物価上昇に追いつかず、個人消費の拡大には結び付
いていない。
そのため、需給ギャップは十分に引き締まらずに、設備投資は先送りされている。
要するに「コスト・プッシュ型インフレ」の域を脱していない。
5月4月の日銀会合の際は、円安阻止の為 日銀に利上げを期待する声が聞かれた。
ところが、「コスト・プッシュ型インフレ下で利上げをしても デフレに後戻りする
リスクを高めるだけ」まのである。
今 必要なことは、「デフレ脱却後を展望した前向きな行動」であり、低金利に慣れ
た企業や莫大な債務を抱えた政府が、金利上昇への耐性を高めることであろう。
中央銀行は あくまでも脇役なのだ。デフレ脱却を目指すべき主体は企業であり政府
だということを忘れてはいけない。