「GDP」 ミネベアミツミ会長CEO 貝沼由久 | 尾張エクセルの「日々精進ブログ」

尾張エクセルの「日々精進ブログ」

木曽の清流に映え、心触れ合う躍動都市;愛知県一宮市に活動拠点を置く、尾張エクセルです。保守政権を応援しつつ、経済・社会・軍事防衛まで、地域や国内、海外の気になる出来事や話題を、独断と偏見溢れる一味違った目線でブログ提供します。

小生が愛読する日経新聞の4月22日付けの夕刊一面のコラム「あすへの話題」に
掲載された「ミネベアミツミ会長CEO 貝沼由久氏の『GDP』」には、なかなか
興味をひかれたので、一部加筆の上で紹介する。
ドイツの「GDP(国内総生産)」が日本を抜き、日本は世界第4位に後退したと
いう。

この背景には、「日本円の実力値が下がったこと」や、「少子高齢化による労働力
人口の大幅な減少」があるらしいが、私は「ドイツ人の働き方」もこの結果の背景
にあると考える。
当社は、30年以上前から精密小型モーターの開発拠点をドイツに求めて、現地で
数百名のエンジニアを抱えて開発を行ってきた。当初は駆け出しということや開発
力の乏しさから大きな赤字を出していたが、現在は主力事業の一つとなっている。
当初、「ドイツ人は6週間の夏休みを取る」という現実を目の当たりにして、私は
茫然(ぼうぜん)とした。夜中まで勤勉に働く日本人と比べても、1か月を超える
長い休暇を取る彼らが勝てるわけがないとまで思った。
時は「ジャパン・アズ・ナンバーワン」といわれていた時代だ。

しかし年月が経(た)ち、結果として彼らは大きな功績を残した。理由は2つある。
1つはドイツには「タンデムワーク」という働き方があり、開発活動の1ポジショ
ンを2人で担うことが珍しくないので、片方が長期休暇に入っても、業務上大きな
支障をきたすことはない。そして2人とも正社員である必要もない。
2つ目はそれを指揮するプロジェクトマネージャーの能力が極めて高いことである。
プロジェクトを輪切りにして誰と誰を組ませるのか、或いは欠員が生じた時の対応
など、全て彼らが指示を出す。
ドイツでは個人の状況に合わせた働き方が広く浸透していて、ひいては それが高い
労働生産性に繋がるようだ。日本も働き方改革が叫ばれて久しいが、ドイツの働き
方は一考に値するのではなかろうか。