小生が愛読する日経新聞の4月22日付けの夕刊一面のコラム「あすへの話題」に
掲載された「ミネベアミツミ会長CEO 貝沼由久氏の『GDP』」には、なかなか
興味をひかれたので、一部加筆の上で紹介する。 |
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240226/17/office-sugimoto/21/24/j/o1200067515406314636.jpg?caw=800) |
ドイツの「GDP(国内総生産)」が日本を抜き、日本は世界第4位に後退したと
いう。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240425/10/office-sugimoto/d2/ef/j/o0640036015430216633.jpg?caw=800)
この背景には、「日本円の実力値が下がったこと」や、「少子高齢化による労働力
人口の大幅な減少」があるらしいが、私は「ドイツ人の働き方」もこの結果の背景
にあると考える。 |
当社は、30年以上前から精密小型モーターの開発拠点をドイツに求めて、現地で
数百名のエンジニアを抱えて開発を行ってきた。当初は駆け出しということや開発
力の乏しさから大きな赤字を出していたが、現在は主力事業の一つとなっている。 |
当初、「ドイツ人は6週間の夏休みを取る」という現実を目の当たりにして、私は
茫然(ぼうぜん)とした。夜中まで勤勉に働く日本人と比べても、1か月を超える
長い休暇を取る彼らが勝てるわけがないとまで思った。
時は「ジャパン・アズ・ナンバーワン」といわれていた時代だ。 |
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240425/10/office-sugimoto/e8/ac/j/o0474063915430214148.jpg?caw=800)
しかし年月が経(た)ち、結果として彼らは大きな功績を残した。理由は2つある。
1つはドイツには「タンデムワーク」という働き方があり、開発活動の1ポジショ
ンを2人で担うことが珍しくないので、片方が長期休暇に入っても、業務上大きな
支障をきたすことはない。そして2人とも正社員である必要もない。 |
2つ目はそれを指揮するプロジェクトマネージャーの能力が極めて高いことである。
プロジェクトを輪切りにして誰と誰を組ませるのか、或いは欠員が生じた時の対応
など、全て彼らが指示を出す。 |
ドイツでは個人の状況に合わせた働き方が広く浸透していて、ひいては それが高い
労働生産性に繋がるようだ。日本も働き方改革が叫ばれて久しいが、ドイツの働き
方は一考に値するのではなかろうか。 |