「おもてなし」のウソ~やればやるほど顧客は逃げる!? | 尾張エクセルの「日々精進ブログ」

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2020年の東京オリンピックを控えて「日本のおもてなし」を誇る声が高まっているようだ。

しかしながら、今や「的外れになった過剰ともいえるサービス」を、思考停止のままで続け

ているような例も少なくないようである。従来からの「おもてなし」が、今では「押し付け」に

なってはいないのか。よほどの注意をしないと、顧客が離れていく時代でもある。

和倉温泉にある「加賀屋」は、日本で最も有名な老舗旅館であって、小生も数回宿泊した

ことがある。「日本のおもてなし」を象徴する「至れり尽くせりの手厚いサービス」は、海外

にもその名が轟いている。特に着物を着た大勢の接客係が、「おかみ」を先頭にしてズラ

リと並び、宿泊客に向かって手を振る風景は圧巻である。

そんな日本最高峰の「加賀屋流の7おもてなし」にも、「自己満足ではないか」という新社

長の決断によって、「創業以来ともいうべき変化」が2017年から起こっているという。

客サービスの総点検が、超高級旅館から居酒屋や牛丼店に至るまでの幅広い業種で

始まりつつあるそうである。

 

独りよがりの供給者論理」は 製造業や金融業も含む日本の産業全体の大きな課題でも

あるという。

サービス業界で広がり始めた自問自答は、製造業にとっても、決して「対岸の火事」とは

言えないようである。手厚いサービスが「押し付け」と言われかねないのと同様に 顧客が

欲する価値を見極める努力を怠れば、どの最新製品も「スペックの押付け」と見做される。

日本の家電メーカーが競争力を低下させた一因」は、この点にあったのではなかろうか。

だからこそ、「生活家電において新興企業の台頭を許している」のであろう。

 

 

家電大手は、世界をリードする開発力で知られていた事実がある。しかし、不毛なまでに

高機能を追及することになってしまったのは 「国内ライバルメーカーとの同質化競争」に

陥ってしまったのが大きな原因であろう。これは、「サービス業が悩む不振の構造」とよく

似ているといえないだろうか。

 

日本のサービスを再検証して、真の顧客満足の突き止め方を探る」必要があるのでは

ないのかと小生は感じる春爛漫の午後である。