「北方領土問題」~粘り強い交渉で打開を | 尾張エクセルの「日々精進ブログ」

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ロシア大統領選で現職のウラジーミル・プーチン氏(65歳)が予想通りに圧勝して、通算

4選を果たすとともに、首相時代を含めて2024年まで4半世紀近くにわたり権力を握る

ことになった。政敵の出馬を認めない手法は、相変わらず強権的である。

 

英国では、ロシア軍の元情報機関員とその娘が不審な物質に触れて意識不明になった。

旧ソ連が開発をした神経剤;「ノビチョク」が使われた疑いがあるという。英国は、ロシアの

犯行を疑っており、米・独・仏も非難している。

「ウクライナのクリミア半島併合」では、制裁も受けている。「ロシアは、国際秩序を不安定

にする存在である」と言わざるを得ないだろう。

 

このような状況下で、我が日本の対ロシア外交のかじ取りは極めて難しい。河野外相は、

3月21日に、ロシアのラブロフ外相と東京都内で会談して 北方4島での共同経済活動の

実現に向け、協議を加速させる方針で一致した。安倍首相は5月下旬にロシアを訪問し、

プーチン氏と通算21回目の会談に臨む。外相会談はその地慣らしの意味があるだろう。

だが、北方領土返還交渉には暗雲が立ちこめている。

また、共同経済活動の協議も難航している。日ロ双方の法的立場を害さない「特別な制

度」の創設に、ロシアは消極的だ。

さらに、プーチン氏は国後・択捉両島に地対艦ミサイルを配備した。色丹島では経済特区

を作った。日本との合意をないがしろにしているのである。

ラブロフ氏は会談で、日本が2023年に配備予定の「陸上型ミサイル防衛システム;イー

ジス・アショア」について、「ロシアの安全保障に直接かかわる」と懸念を示した。河野氏は

「あくまで防御的で、周辺国に脅威を与えるものではない」と説明した。ロシアが日本の安

全保障を問題視するのは、領土交渉を遅らせるための「時間稼ぎ」ではないのだろうか。

 

ロシアが領土問題で譲歩したのは、国内が不安定な時だ。1997年の橋本竜太郎首相と

エリツィン大統領とによる「クラスノヤルスク合意」においては、「2000年までの平和条約

締結を目指す」と期限に言及した。1998年には、橋本氏が「北方4島の北側に国境線を

引き、4島の施政は当面ロシアに委ねる」という「川奈提案」を行なった。エリツィン氏は、

一度は「ダー(分かった)」と答えたとされる。

 

西側各国による制裁でロシア経済は厳しいものの、プーチン政権は安定している。今は、

日本にとって好機とは決して言えない。安倍首相は領土問題を解決し、日露関係を発展

させる意義を粘り強く説き続けなければならない。

小生は安倍外交の進展に期待をして、精いっぱいの応援をするものである。だが…。