off time-手元に届いたブリーフケース

小牧の前任店長杉浦さんへのプレゼントが今日届いた。


社員が1,000円、フレンドさんが500円ずつ出し合って合計で123,000円集まったのだった。


小牧店店長在任期間が3年7ヶ月の最長記録と聞いた。


「どうせ贈るなら、本物を贈ったほうがいいんじゃないか?」と提案したら、選定を一任された。





Hartmannのダレスバッグを個人輸入すると、送料込みで115,000円。


2月4日にメールでオーダーして、12日にアメリカから発送された。


中部国際空港にて通関手続きを経て、本日手元に届いた。











関税、通関手数料、消費税、地方消費税は俺個人で負担した。


だって、毎日毎日顔を合わせると厳しい注文ばかり杉浦さんに出してきたわけだし。


俺流のねぎらいを形にしたかったから。








off time-金田店長からの贈呈



本日午後四時過ぎ、小牧でその贈呈が行われた。


杉浦さんのこんな笑顔久しぶりに見たよ。





off time-早速開封


鞄なんて書類が入ればいいという考え方もある。


素材が合皮でも構わないという考え方も否定しない。


でも、杉浦さんへの贈り物には本物を選びたかった。


Hartmann社は1877年の創業。






off time-こんな笑顔見たことない

本革の鞄で定評ある老舗で、アメリカの金融街や政治家、成功した人たちが好むブランドだ。


一流ホテルのベルマンはチェックインする人の鞄や靴を見てフロントへ案内する。


Hartmannの鞄を持つ宿泊客は、一流のホテルなら宿泊代そのままでアップグレードされるといった逸話を聞いた事がある。






off time-こ




少なくとも、日本のスーパーの店長でHartmannを持つ人はいないはず。


小牧の在任最長記録の店長には、そのくらいの誇りを持って次のmissionに取組んでほしい。


そんな願いと期待を込め、小牧の従業員の皆さんには離任までに間に合わないけど、Hartmannをアメリカから輸入して渡そうと根回ししていた。





鞄を受け取った杉浦さん、みんなに挨拶して回ってたなあ。


「皆さんからいただいた鞄に負けないように、頑張ります!」














そんな礼儀正しい男にこそ、本物は似合う。


彼のこれからの成長は、あめ色に深みを増す鞄と共に進んでいくんだね。














今日2月14日は祖父の命日。
八年前のあの日も福井は雪が降ってた。

祖父は最期までお洒落だった。
乱れ髪は、闘病の最後で初めて見たくらいだった。
いつも髪を七三に分けて、上着の内ポケットにはくしをしのばせる祖父だった。
同じネクタイは二日続けて締めない祖父だった。
靴はいつもぴかぴかに磨いてた祖父だった。
酒の好きな祖父だった。

祖父の何が偉いって、それは言い出したらきりがない。

先に亡くなった姉さん女房の祖母と知り合った時、日本はまさに戦争への道を歩き出していた頃。
祖母の連れ子(叔父)をわが子のように育て、あの時代に大学まで卒業させた。
自分の商売を継がせたかったに違いないのに、叔父の生家のお寺に住職として送り出す。
商売で稼いだ金を毎月のように叔父に仕送りし、貧乏寺を再興するスポンサーとなる。

実子である母に婿養子(父)を迎え入れたのが、昭和37年。
大学を卒業しようとする父を横浜に訪ねたのが、卒業式の一週間前という。
「兄さん(父のこと)、卒業したら中々東京には来れないだろうから、
これで思い存分遊んできなさい。
結婚式の一週間前に福井に帰ってくれればいいから」
と言って、5万円を父に渡したらしい。
当時の大卒初任給が二万円に満たない時代に五万円。
父はそのお金を一円も使えなかったそうだ。

父が結婚して新婚旅行から帰ったその夜、土産を広げる父を呼んで祖父はこう言った。
「わしは今日で引退する。明日からは兄さんが万事采配を取ってよろしく頼む」
そして、会社の実印、銀行印、小切手帳を父に渡した。
実の親子でも先月まで学生だった息子にそれはできない。
まして、職人気質の商売。
渡した祖父も受けた父も凡人にできることではない。

おじいちゃん子だった俺は、子供の頃いつも祖父の足元にまとわりついてた。
多くの職人にいつも声をけてたな。
「○○、飯食ったか?」
それが口癖だった。

躾には厳しかったけど、従業員想いだった。
毎年年末の28日には、必ず朝から祖母と臼で餅をついてみんなに配ってた。
大晦日に仕事を終えて帰る従業員に、すき焼き用の肉を1キロずつ渡しながら、
「ありがとう、正月はゆっくりしなさい」とねぎらってた。

今日はバレンタインデーで世の男は浮かれる日かもしれないけど、
俺にとっては自分のルーツを考える大切な日。
次に生まれ変わっても、祖父の孫で生まれたい。