今回も昆虫の話ですが、いい加減に王道的な記事を書いてみようかと思います。

正直前回の内容はおそらく見た人の九割以上がナミビアのパキソマとは??と、首を傾げていたでしょう。

いや、自分のブログだから何書いても自由ではあるのですが、やはり昆虫標本収集の王道は大型カブクワでしょう!という事で今回は分かりやすい記事を目指します(本当かなあ。)

 

私は外国の昆虫の標本を集め始めたのはかれこれ二十数年以上前になりますかね。当時は外国の生きたカブクワの輸入が解禁された頃で、飼育ブームの始まりでもありましたね。

私もオオヒラタやテナガコガネとかの生き虫を購入してしばらく飼育を楽しみましたが、やはり子供の頃から続けていた昆虫採集の延長で標本収集の方へ力を入れる事になりました。

 

で、ちょっと頑張って集めてみたのがこちら。

カンターミヤマクワガタ(Lucanus cantori cantoriインド・ダージリン産。

85mmくらいありますが、今買おうとしたら幾らくらいになるのやら。

 

宇宙一…いや、宇宙一はアクベシアヌスミヤマなので銀河一くらいカッコ良いクワガタ。

 

ミヤマクワガタ好きの方なら、標本と飼育を問わず最高峰の一角を保持し続ける言わずと知れた有名種ですね。

私は飼育した事が無いのですが、これだけ飼育技術が発達した現在でも最難関と言われているそうです。最近はぼちぼち成虫までは行けるとは聞くものの、それでも大型個体が出せない所から何かしら飼育方法にまだ足りない物があるようです。

 

飼育難易度と合わせて生息地のインドが生物保護に力を入れて採集規制をしているので新規の標本も得られず、たまにインドの国境地帯のアルナーチャル・プラデーシュ からの個体は見かけますが、大型個体の標本はずいぶん高くなってしまいましたね。(ミャンマーの方には亜種コラシがいますがそちらは持っていません。)

蝶でいうとクリシュナ(タカネクジャクアゲハ)とかシボリアゲハとかの欲しいインドの昆虫の標本があるのですが、こちらもずいぶんと高くなってしまって入手できないでいます。

 

こうなるだろうとかつての私はせめてカンターだけでもと頑張っていたのでした。

 

上で紹介した標本は当時、別の在庫の個体を買おうとして問い合わせたら売れてしまっており、がっかりした所をお店の方のご厚意で別の標本を出して頂いて入手した物となります。

おおざっぱに顎の太さで色々と見た目が変わりますが、お店の方も特筆するくらいの顎の太さと曲がり方でこれぞカンター!といった体形に一目惚れして即断で購入。その後追加で入手した標本もあるものの、結局これを越える個体は手に入らず、私のカンター収集の締めくくりとなりました。

 

結構集めたので色々個体変異も楽しめるかもしれませんが、やっぱり細顎個体よりか太顎個体ですね。いや、細くてスラっとした体形が好きな方もいるかもしれませんし、あくまで個人の意見として(というか細顎の方は展脚のやる気が無い…。)

 

そして次は大型カブトムシ。

しかし、こちらは当時私は全く手を出しておりませんでしたので、最近になって苦労しながら集め始めた物になります。

 

大型カブトと言えばやっぱりヘラクレスですよね。

色々と亜種がいますが、私はスタンダードなリッキー(右:Dynastes hercules lichyi)とヘラクレス・ヘラクレス(左:Dynastes hercules hercules)しか持っていません。両方150mmくらいですが、野外品だと大型の部類ですね。

 

一応野外品ですけどどうなんでしょうかね。私は語れるほどの知識もありませんので何とも言えませんが、どんな収集にも付き纏う問題として標本の真贋ですね。

 

ヘラクレス・ヘラクレスも生息地のグアドループ諸島で持ち出し規制さておりますので、現在、国内で見られる生き虫は累代飼育を続けている個体になります(ここら辺は輸入許可の時系列や、どのくらい国内に持ち込みがされたのかはちょっと分かりません。)

カンターミヤマと違い飼育で大型個体も羽化させることができますので、ヘラクレスの野外品と言われる標本の何割かは飼育品も混じっているのではという話ですね。

 

知識が無いのでこれ以上話してもあやふやになってしまいますが、高額になる野外品の大型個体の標本はやはりラベルや由来のしっかりした物を入手した方がいいとは思います。

しかし、色々難しい事は言っても純粋にこのカッコ良さと重量感の魅力は野外、飼育、問わず子供から大人まで魅了し続ける昆虫でありますよね。

私もヘラクレスやゾウカブトといった大型カブトの標本を入手してその魅力に今更ながら気が付きましたが、大きすぎるというのも困りもので今ある標本箱だと厚さが足らずに入りませんでした。いずれ標本箱を新調してカブト箱を作らなければ。

 

という事で個人的にメジャーだと思う大型昆虫の話をしてみました。本当はこの後に大型カミキリとかマイナーな大型昆虫の話も書こうかと思ったのですが、記事が長くなりそうですのでまた時間ができた時にでも書きたいと思います。

 

来月はAWもありますし、そろそろコインの記事も書きたいですので

今回はこんな所で。

 

さて、昆虫標本の即売会に行きましたのでちょっと昆虫関係の記事を続けてます。

 

先週購入した標本の中で思わず呪詛を吐いてしまったあのパキソマ

Pachysoma:ナミビアから南アフリカにかけて生息する飛べない糞虫の仲間)

 

翅はなんか補修してるみたいだし、おまけに塗装もされてる。さらに裏側を見たら胸部と腹部が外れたのか盛大に大穴が開いてる…。

 

B品もいい所のこの標本。というか、これ胸部と腹部の間が長すぎてバランスがおかしい。

やはり色々と納得できないので思い切って大工事!という事で再組み立てを実行。

まず胸部を外そうとしたらなんか黒い液体が…なんだこれインク?ガチガチに固められていたのを何とか取り外すとボンドで付けた後に瞬間接着剤を流し込んで取り付けていました。

 

ん?ちょっと待て!これ翅の跡は全部瞬着だ!翅の割れを直した跡じゃなくて胸部を接着した時に翅にまで瞬着が流れてコートされちゃったんだ!

瞬着の固まった層の下には多分元の翅がある!という事でピンセットとデザインナイフでペリペリ剥がし。

しかしこの標本、赤っぽいと思ったらテネラル(成虫になったばかりで柔らかい)でペコペコして脆い…瞬着剥がすの失敗したら最悪翅ごと割れるか剥がれる…。

 

ちょっと賭けでしたが胸部に付いていた瞬着も含めて無事に除去完了。塗装はおそらく瞬着が固まって白濁したりテカテカしたのを誤魔化すために赤マジックで上から塗ったみたいですね。酷い修理…。

 

塗装跡を清掃した後に合体!元々の胸の隙間はこんな感じですね。展脚板が汚いのはご勘弁を。

 

しかし、今度は展脚し直して気が付いたのは右脚が奇形でちょっと短い…こればかりはどうしようも無いので上から見た時に違和感が無いように調整。

 

そして完成。これで修理跡が消えた本来の姿になりました。疲れた…。

 

色々と欠点の多い標本ですがパキソマの中でもこのPachysoma rodrigueziは貴重ですし、完全なA品ならオークションで10万近くまで値が付いたのを見た事もありますので、このお値段でここまで直せたのなら上出来でしょう。

今更ではありますが、修理内容をちゃんと分かるようにしててくれればここまで悩んだりしなかったのに。値切ったりなんてしないので標本を販売する方も詳細はちゃんと書いておいてほしいです。

 

修理が終わって改めて見てみると超絶にカッコ良い昆虫です。

 

同じ糞虫であるスカラベも結構特異な形をしていますが、近縁種のパキソマはさらに造詣が極まって完全にヒョウタン型に胸の間が窄まって凄いです。

スカラベは糞を求めて頻繁に飛び回りますが、パキソマは飛ぶための後翅が退化してしまって飛べなくなっています。おそらく飛ぶための筋肉が消失しているのもこの体形の理由なのでしょう。

さらにナミブの砂漠を走り回るためか砂に沈みにくいように生えた大量の脚の毛も素敵。新成虫なので毛の抜けも無く各部のトゲトゲの摩耗も無し。あれっ逆にテネラルだから状態が良いともいえるの?

 

ナミビアのパキソマの仲間

 

ナミビアのキリアツメの仲間

 

現存で誕生したのが最古と言われるナミビアのナミブ砂漠(約8,000万年前)

 

”何もない”という名前の意味とは裏腹にこんな素晴らしい昆虫がいるのですから何もないなんてとんでもないですね。

同地に生息するパキソマの仲間や、たまに自然番組なんかで紹介される逆立ちして霧で付いた水滴を飲むキリアツメの仲間など、特異な昆虫がいるので好きな方なら憧れの地でもありますね。

比較的治安も良いらしくツアーもありますので国内でも結構行っている人も多いみたいです。

 

余談になりますがちょっと前に話題になっていたナミブのライブカメラが面白かったので、お暇な人は一見してみてください。

 

こういう所でオリックスでも眺めながらカメラメンテや水飲み場を掃除する仕事で生活したり、昆虫採取するのも悪くないかもしれませんね。

 

私も砂漠の昆虫が好きなのでパキソマやキリアツメを何種類か入手してみましたが、これでようやく目玉となるような大型種を標本箱に入れる事が出来ました。

 

ついでに一緒に買ったカブトエンマコガネの仲間の追記。

フォローしているK庵さんのコメントでちょっと調べてみたのですが、Proagoderus rangiferという名で売られていたのですが、よく似た種でProagoderus ramosicornisというのもいるのでこれどっちなんだろう?ramosicornisは緑でrangiferは赤い色だと思っていたのですが、どうも緑色型もいるようで、うむむ。

 

丸山氏の本や拡大画像で細部を見比べてみるとrangiferの方は胸部が点刻で結構ザラザラ。ramosicornisは比較的ツルツル。

で、今回の標本は…。

 

ツルツル。

 

他の細部も見比べてみたのですが、ramosicornisだと思います。たぶん。rangiferの方が珍しいらしく角の伸びたこの大きさならかなりお得だったのですが、どちらも持っていませんでしたしこの値段ならOKです。

小さい糞虫ですがトナカイツノとかシカツノエンマコガネとかの和名の通り鹿の角のように伸びた二本の角がカッコ良い。

 

立続けに昆虫関係の記事を書きましたが、実はもう一つ書きたい…。申し訳ないのですがコインの記事はもう少しお休みします。

 

ではこんな所で。

 

今日は浜松町へ行ってきました。

コインの話?いえいえ、今回はAW社がある方とは反対側へ行きまして、毎年3月頃に行われますインセクトフェスティバルという昆虫標本の即売会に参加しておりました。

以前に大宮でやってる頃は行っていたのですが、浜松町に変わってからは初めてです。

 

行ってきまーす。

 

ただいまー。

予算使い過ぎました…。明日から生活どうすればいいんだ!

あまり昆虫に詳しくない方にはマニアック過ぎるラインナップですね。

 

でもまあ前から欲しかったカブトハナムグリや

 

モフモフの状態が良いアフリカのケブカフトタマムシを買えたからいいや。

しばらくは水と塩で生活します。

 

ちょっと糞虫も追加で入手してみましたが、カブトエンマコガネはお買い得だったかも。

しかし、同じお店で買ったナミビアの巨大パキソマは上翅の浸みが油でも浮いてるのかと思ったら、なんと翅の亀裂を塗装で誤魔化していたのでした!おのれ…妙に安いと思ったら。

 

でも良いのです。ぱっと見はそれ程気にならないし、コレクターはこうして騙されて成長していく物なのです。(えっ、私はもうこれ以上成長する事ありませんので退化していくだけですよ。)

 

とはいえ、最近人気の糞虫やブローチハムシのような種類も古い仕入れのままお値段据え置きで売っていたり、お得な物も各ブースの標本箱を丹念に見て行けばまだまだあるなといった印象ではありました。

しかし、予算も使い果たしたので早々と帰宅。うーん、ライオンコガネやあっちのブースのあれやこれやとか買っておけばよかったかな…また今度ですね。(そういうのは大抵次回には売れているんですけどね。)

 

二箱あるその他ごちゃまぜ標本箱もだいぶ手狭になってきましたので整理しないともう入らないです。思い切って大箱に引っ越ししようかしら。

 

ではこんな所で。