夏なのでまた何か昆虫でもと思ったのですが、標本の話はまだ書けていないので適当に雑談的な話でも。

 

未展脚箱を漁っていたら幾つか面白そうなヨーロッパミヤマが出てきたのですが、展脚したりし直したりとしておりますので紹介はまた後程。

 

話を戻して、先月なのですが去年の秋に拾ったアオスジアゲハの蛹が羽化しました。

我が家の前にはクスノキが生えておりまして、毎年夏の間は沢山のアオスジアゲハが周りを飛んでいて幼虫も育っているのです。

ここに住み始めて5年以上になりますが、普段はあまり気にしていなくても下に糞が落ちてるのを見ると、よしよし今年もいるな、といった感じで家から出かけています。

 

大きく育った幼虫は蛹になる場所を探して歩き回り、たまに踏んづけられたりしているのも見るのですが、こちらの蛹は埃だらけの塀の下に蛹を作っちゃいまして、あーあこんな所で…と思いながら帰ってきたら案の定、蛹を固定する胸部の糸が埃ごと剥がれて逆さまになってブラブラしていました。

 

ほーら言わんこっちゃない、という事で回収してきて冬の間は家の中に転がしておいたのでした。

 

そもそもアオスジアゲハっていつ羽化するんだっけ?と思いながら暖かくなって春が過ぎてそろそろかなと枝を挿した瓶の底に入れておいたら無事羽化となりました。

 

新鮮な成虫は美しいです。

 

アオスジアゲハの名前の由来である翅の透けた青緑の線がステンドグラスみたい。

 

普通種ですが、子供の頃は採集しやすいナミアゲハと比べてアオスジアゲハはスピードが速いのでなかなか捕れなくて、ヤブカラシの花の前でずいぶん粘って採集した記憶があります。蝶屋の方も子供の頃にアオスジアゲハに憧れた方が多いのではないでしょうか。

その時の標本を見ると少しスレてる個体でしたが初めて採集した時は嬉しかったですね。

 

もう少し昔の話をすると国内の南の方には近縁種のミカドアゲハという種類がいまして、私は生息しているのを見た事が無いのですが、標本は1頭だけ持っています。

 

こちら、台湾産です(うう…展翅がヘタすぎる…。)

 

子供の頃のアオスジアゲハの採集に前後して、渋谷にあった志賀昆虫店へ標本作成用具を買いに行った時に台湾産蝶の未展翅標本セットも買いまして、確か数千円でミカドアゲハと一緒にワタナベアゲハとかタイワンカラスアゲハとかの台湾のアゲハチョウ種が何十頭か入っており、流石に戦前や戦後のように台湾の昆虫に憧れるという時代ではなくとも初めて見た蝶と展翅にワクワクしましたね。

 

そのせいか夏の炎天下でミカドアゲハに近縁のアオスジアゲハの飛翔を見ているとなんとなく南の雰囲気を感じるのです。

 

その後、特に標本はいいかなだったので、ひとしきり撮影させて頂いた後は枝ごと外に出しておいたら夕方には飛んで行ってました。

 

ではこんな所で。

 

出品は古代とヨーロッパがあるのでまだ全部終わってないのですが、落札がありましたので結果報告でも。

私の家は新盆なので連休中の内にお墓参りにもと行っていた移動の合間に日本貨にちょっと参加。

 

うーん、新円銀の大型が欲しいのですよね。できればMS、できればトーン付き、でも高いなあ。とりあえず61辺りでお値段が騰がってない物にえいやっと入札。追う気は無いので上回れたら諦めましょう。多分上回られるし。

 

で、帰宅。あっ落札してる。

 

…落札しちゃったよ。

 

うええ予算的にちょっと気軽に入札してしまった感が…。

いやでもこれで円銀4種類揃ったし出品コインのユスティニアヌス帝と交換と思えば悪くはないでしょう。ないよね?ないです(という事で出品の1枚はユスティニアヌス帝の金貨でした。落札された方はありがとうございました。)

 

ヴィクトリア女王のルピー銀貨が結構出ていたので考えてもいましたし、明日のヨーロッパもあるのですがとりあえず今回の参加に関しては私は終わりですね。

というか、最近ちょろちょろ買いが多すぎてかなり予算の負担が大きいのでいい加減に自重しないとえらい事になりそうなのですよね。

 

ともあれこれで円銀収集は一段落付けれそうです。

 

ではこんな所で。

 

ビザンツコインは終わりにしましたが、せっかく中世にまで来たので古代に戻る前にこの時代の金貨の紹介もしてみましょう。

 

フランス 1380-1422年 シャルル6世

エキュ金貨

PCGS AU58

 

表面はフランス王家の紋章である王冠を頂いた百合を描いた盾。(エキュ:盾)の意味でこの呼び名だそうです。

エキュ・ア・ラ・クロンとか長ったらしい名前もあるみたいですがエキュとかエキュドールで呼ばれる事が多いですね。

 

金貨の作られた中世後半の14世紀となると東方の大国ビザンツは衰退しており、十字軍の活動は下火に、西ヨーロッパは中世初期の低迷から立ち直ってフランスや神聖ローマといった大国が台頭をしている頃ですね。

 

中世初期の西ヨーロッパに流通していた貨幣はローマから引き継いだデナリウス単位で鋳造を行った銀貨が中心となり、金貨はビザンツからの物くらいしかなかったようですが、その後、経済発展や鉱山開発に伴い姿を消していた金貨もヴェネツィアといった経済力の強い都市では12世紀から、フランスも13世紀頃から再登場しており、今回のエキュ金貨もその流れで発行された物になります。

 

裏面は王冠に囲まれた花十字紋。

 

重さは前に紹介したローマやビザンツの金貨とあまり変わらない3.9gくらいなのですが、カップ型では無いもののかなりの幅広で薄い金貨になっています(鋳造時期によって重量は多少変わるようです。)

紙のような薄さというか手でクニャっと曲げれそうで扱いが怖いですね。(この時代もお財布的な袋や専用のケースみたいな物があるとか聞いたような。)

 

さて、シャルル6世というと親愛王と共にこちらの方が有名な狂気王の名で呼ばれた方ですね。始めは名の通り国民の親愛を受ける善政だったそうですが、最初の4年が過ぎると狂気王の名の通り精神錯乱が頻発して42年の長い治世の大半を精神に変調をきたしたままとなってしまったそうです。

 

あとは中世の100年戦争中の金貨となりまして、フランスとイングランドによるフランス本土の領土を巡っての戦争も休戦を挟んで後半戦へと差し掛かる頃となり、ご存じシャルル6世が錯乱してしまった為、混乱したフランスに乗じてイングランドの攻勢と6世の後を継いだシャルル7世による反撃に登場するのがこれまたご存じジャンヌダルクですね。

 

という事で、あまり中世のコインに詳しい訳でもないのですが有名所の見本的に一枚求めてみました。

他にも中世辺りの名品となるとムートン・ドールとかノーブルとかもあるかと思いますが、どれもかなりのお値段がしますので一番入手しやすいのがエキュ金貨ではないでしょうか。

グレードはそこそこですが、薄い金貨のせいか打ち出しも不鮮明な物が多い中で図柄の切れや潰れも無く綺麗に打ち出されていたのでこちらに決めてみたのでした。