わーお、もう12月ですよ。

そろそろ今年の更新できる記事も最後になりそうですので、円銀の紹介を終わらせてしまいましょう。

ちょっとコイン関係に使える予算に余裕ができたので色々とちょっかいを掛けて入手したりとしているのですが、古代関係の紹介の方はまた来年になりそうです。

 

明治15年(1882年)新1円銀貨(大型)

NGC MS61

 

 

7月のAWで落札できました新1円銀貨の大型。旧1円銀貨はMSグレードでしたし、同じくらいのグレードかつトーン付きので揃えたいなと思い切って入札したら落札できたのがこちら。

 

旧1円銀貨と比べると極印も改良されたのか打ち出しもカッチリとした作りで近代的な雰囲気です。トーンも濃すぎず薄すぎず、このくらいの雰囲気が好きなんですよね。

 

そして新1円銀貨の小型。

大正3年(1914年)新1円銀貨(小型)

NGC MS62

 

1円銀貨は大正3年が最終年号となるそうで、ここで龍図の円銀は終了ですね。お疲れさまでした。明治3年から大正3年となんだか切りも良いですね。

 

小型は一回り小さくなりましてお値段も手頃なので、見掛ける頻度も多いのではないでしょうか。と思ったら以前に紹介した貰った裸の1円銀貨も大正3年でしたね。

辰年のせいか何となく円銀に縁のある年でした。

 

と言う事で集めたかった円銀4種、旧円銀、貿易銀、新円銀大・小、コンプとなりました。メイン収集は古代コインの私ですが、やはり自国の銀貨というのは特別でもありますので、こうしてコツコツ入手を進めて達成できたので感無量です。

 

これ以上の収集は年号や手変わりに丸銀打ちと、あまり手を広げると円銀沼に嵌って抜け出せなくなる危険がありますのでここでひとまず終わりにしたいと思います。

 

ではこんな所で。

 

ウワーッ!もう11月!?

さっさとコインの紹介しないと!と言うか辰年の内に龍の図柄の円銀紹介しないと!!

 

忙しいのもあるのですが、全然更新できなくて申し訳ないです(いやほら、宿題と違って締め切りの無い状態が心地よくて…。)あれやこれやと書きたいと言っておいてなのですが、あまり期待しないでお待ちいただければと…。

 

明治3年(1870年)旧1円銀貨

PCGS MS62

 

円銀は以前に貿易銀を紹介しておりましたが、私が一番最初に入手したのはこちらの旧1円銀貨でした。

何となく紹介するタイミングも無くてそのままにしていたのですが、7月のオークションで新1円銀貨の大型を入手して欲しかった円銀は一応のコンプとなりましたので紹介をしていきましょう。

 

わが国で発行された龍の図柄の1円銀貨としてはこちらが最初のトップバッターですね。

後期の新円銀のカッチリとした作りと比べると打ち出しがちょっとボンヤリしているというか作りが甘く感じますが、製造技術が成熟していない時代的な雰囲気も感じてこれもまた良い感じかと。

 

ちなみにこちら手変わり品らしくて増貝円と言う物らしいです。

増貝とか欠貝とかなんのこっちゃと思ったら一圓の貝の字の間に線が一本入っているのですね。極印の破損か修正か何かでしたっけ?国内貨のブログで説明している記事があったような気がするのですが、記憶が…。

 

裏面の旭日図柄は旧一円銀貨だけの特別感。

 

いやあしかし、正直手にするまでは円銀の龍の図柄って全部同じじゃんと思っていたら、旧~新、貿易銀も加えて見てみるとどれも作りの個性があって良いですね。円銀だけを収集するコレクターさんの気持ちも分かります。これは何枚持っていても良い物です。

 

そういえば明治時代の貨幣制度って私は良く知らなかったのですが、1円銀貨は貿易銀的な目的での発行だったのですね。てっきり貿易の支払いはその物ズバリ貿易銀があるので、最初から国内流通目的かと思っていたら順序が逆だったようです。

明治維新から日本の近代化のために我が国を支えてくれた銀貨様に感謝ですね。

 

ではこんな所で。

 

さて週末はAWですね。出品関連という訳でもなかったのですが、以前に落札したヘレニズム時代の大型銀貨の一つ。ペルガモン王国で流通したキストフォルス銀貨を紹介してみましょう。

 

イオニア エフェソス 紀元前180/164-133年

キストフォルス銀貨

Ch AU Strike5/5 Surface3/5

 

以前にポンペイ展の記事で少し触れましたが、名前の由来として表面に描かれたディオニュソスの秘儀の聖具箱(キステ)から蛇が出ている場面をリースで囲んだ図柄。

 

キストフォルス銀貨は同時代に大規模に流通したアッティカ重量基準のテトラドラクマ銀貨より少し軽い約12gとしてローマのデナリウス銀貨3枚分の価値とされたそうです。

もともとペルガモン王国でもアッティカ基準のテトラドラクマ銀貨を作っていたのですが、前200年頃からキストフォルス銀貨の製造を始め、おそらくプトレマイオス朝の独自重量の貨幣と同じように独自の貨幣経済圏を作る目的だったのではとも言われるそうです。

 

アンティオコス3世に勝利したアパメイアの和約後、紀元前188年頃のペルガモン王国。

 

発行した都市エフェソスはペルガモン王国の外港として栄え、現代も大規模な図書館の遺跡が残るイオニア地方の重要都市。

キストフォルスが流通したアナトリア半島西岸のペルガモン王国の都市としてNGCでは、今回のエフェソスと共にサルディスやトラレス表記ラベルのキストフォルスタイプの銀貨を見掛けますね。

 

裏面は矢筒に絡み合う2匹の蛇。

ちなみに右側にはエフェソスのミントマーク的に女神アルテミスが彫られています。エフェソスはアルテミス信仰が盛んで世界の七不思議の一つであるアルテミス神殿があった都市でもあります。

 

当時のペルガモン王国は前回紹介したセレウコス朝のアンティオコス3世をローマと共に破ったことにより、アナトリア半島西岸の大部分を領土として最大規模に達した全盛期。羊皮紙の語源であるペルガモンが示すように交易による富で潤った豊かな国として繁栄しました。

 

豊かな国を象徴するように、かつてのリュシマコスの銀貨でもペルガモンミントは出来が素晴らしく古代コイン収集家の憧れの一つですね。

と言う事で名品の流れを汲んだペルガモン王国のキストフォルス銀貨にも興味があって入手してみたのでした。

 

その後の歴史として、ペルガモン王国は最後の王アッタロス3世の遺言によりローマに遺贈され、属州アジアとしてローマ領となり消滅しましたが、この地の貨幣制度は存続し、その後も共和政から帝政の五賢帝時代辺りまでのローマ統治下でもキストフォルス貨は作られ続ける事になります。

 

エフェソスのセルシウス図書館の遺跡

 

ではこんな所で。