こんにちは、粟津サヤカです太陽

京都でオリジナルツアーのガイドをしています。

 

時代の流れの中で

消えてゆくレトロの

どうしようもない現実を目にし

なくなってしまう前に

せめて自分の目で見て

記録に残そうとブログを書いています鉛筆

*****

 

あっつい、あっつい日が続いていますひまわり

 

40度にも達する気温、

最近の子どもは

冷房のない教室でかわいそうだなあ・・・

なんて思っていましたが

今週から夏休みに入ったらしく

汗だくで学校へ通う子どもたちの姿も見なくなりました。

 

しかし、大人の目が届きにくい夏休み。

うまく涼んで水分補給するんやで~カキ氷

 

さて、今回記録するレトロは、

そんな子どもたちのかつての学び舎、

旧成徳中学校です。

 

場所は下京区高辻通室町西入。

京都経済の中心地、四条烏丸を

通り三本南下してさらに西に一本入ったところ。

児童数の減少に伴う他校との合併により

平成14年に閉校された成徳中学校は

人影もなくひっそりしています。

 

旧成徳中学校については他にも
一般公開されたその内部と
早咲きの「春めき」桜に彩られる風景を
記録しています。
こちらも併せてご覧ください。

 

 

 

この建物で目を引くのが、この連続アーチ!

外壁に張られた石の風合いもクラシックでおしゃれ拍手

2階は1階のアーチひとつ分に四角い窓が一つ、

3階はその幅を2分割した細長い窓がペアで並び、

変化がつけてあります。

通り側はすべて廊下になっていて奥に教室が並んでいる造りです。

 

旧成徳中学校の建物は、

明治2年9月創設の旧下京9番組小学校を前身とする

成徳小学校として建てられたもの。

昭和22年の6・3制導入により中学校を併設、

同年に小学校が廃校となり

中学校として使用されるようになったそうです。

(元成徳中学校ホームページより)

 

東の端にある正門脇にはその歴史を物語る石碑たちが並んでいます。

右から

「京都市立成徳小学校跡」

「京都市立成徳中学校跡」

「栄養給食の先駆け・・・」

「軟式野球発祥の地(少年の銅像)」

後の二つが興味深いですね。

教育分野での先進性がよくわかります。

 

こちらが正門前の玄関です。

大きなアーチには縄目のような模様も施されています。

扉部分は新しいアルミサッシになっていますが、

周囲の枠はレトロなピンクですね。

 

凝灰岩(大谷石)が使用されています。

書いてあるところが学校っぽい目!

凝灰岩はこの部分だけでなく外壁の装飾にも使われているそうです。

豪華ですねキラキラ

 

玄関部のコーナーに銅板装飾も。

花ですねガーベラ

芸術的拍手

 

校舎の東端は

窓の配置に変化がつけてあります。

ここは階段になっているそうです。

 

校舎はここで南方向(後方)へL字型に曲がっています。

周囲をぐるっと回ってみましたが、

建て込んでいて

校舎は高辻通り沿いからしか見ることはできませんでした。

 

西側の大きな鉄扉は児童の昇降口だったそうです。

ここから右(西)側の壁の色が新しい雰囲気だったので

建て増しかなと思ったのですが、

この小さな正方形窓の集合は竣工当時からのもので

中は階段室になっているそうです。

光が差すと正方形の光が動いて、

子どもたちの心をワクワクさせていたのかもしれません。

 

昇降口の鉄扉も竣工当時のもの。

何がモチーフなのかわかりませんが、

ヨーロッパっぽい、グラフィカルな感じ。

設計者のセンスを感じます。

子どもたちの目にはどう映ったのでしょうか。

 

旧成徳中学校でした。

 

京都では

地域の名称に今でも学区名を使っているところがたくさんあります。

例えば災害時の緊急避難命令に

「下京区成徳学区」

などと表示されたりします。

(あくまで学校名で地域内にその名称の土地はありません)

 

日本ではじめて京都で設立された番組小学校は

当初、町組の行政機能を併せ持った町会所としての役割が大きかったそうです。

つまり、町をあげて子どもの教育に取り組んでいたわけです。

 

つまり、

大きなアーチ窓に石張りの外壁、

芸術的な銅板装飾、

遊び心あふれる小窓の階段室、

子どもの感性を刺激する意匠の数々は

大人たちからのプレゼント。

 

旧成徳中学校のように

都心部の小中学校は統廃合が進み、

もはやその名前の学校がなくなっていることも多々ありますが、

それでも今なお、その名を呼び

地域の拠点として親しまれている京都。

 

学校と地域の結びつきの強さを

この建物に見ててもらいたいレトロでした。

 

旧成徳中学校については他にも
一般公開されたその内部と
早咲きの「春めき」桜に彩られる風景を
記録しています。
こちらも併せてご覧ください。

 

 

京都の都心部には

他にも歴史ある旧小学校、中学校が今も残されていて

昭和前期の学校建築を楽しむことができます。

以前にいくつか記録していますので

ぜひご覧ください。

 
そういえば、先日、
旧立誠小学校の前を通りかかりましたが、
解体(?)工事がさらに進んで
もう中へは入れなくなっていました。
 
旧小学校という雰囲気と立地を活かした
宿泊施設を含む複合施設になるそうですが、
どうなることやら・・・
 

今回の記録は下記を参考に作成しました。

(京都市の近代化遺産 :京都市近代化遺産(建造物等)調査報告書、近代建築編

京都市文化市民局文化財保護課編 2006年)

 

今回記録した旧成徳中学校はご案内していませんが、

昭和初期の小学校建築の一つを下記のツアーでご案内しています。

 

【9/8(土)】洛中レトロ三条文明開化コース いつもの繁華街からちょっと寄り道!レトロなどまんなか京都をふらり。お手軽タイムスリップで文明開化な京都を体感しましょ!

開催日:9/8(土)

集合時間:13時00分

集合場所:四条烏丸付近(※詳細後日)

最少催行人数:2名様

参加料金:大人2,500円 小学生以下無料

申込締切日:9/3(月)

※事前のお申込みが必要です。画像またはツアー名をクリックしてツアー詳細ページからチケットを購入してください。

※申込締切が開催日の5日前に変更になっています。ご注意ください。

 

昭和初期の小学校建築、

呉服の聖地、室町、新町通りなど

京都商人が暮らす町を歩いた後は

近代京都のレトロストリート三条通りへ。

あなたの耳にも文明開化の槌音が聞こえてくるかも・・・!?

 

【8/14(火)】お盆の八坂・清水 夜涼み散歩~ほのかな灯りに導かれ 石だたみの路地を抜け 古都の祈りの時間にゆったりと身をゆだねる~

開催日:8/14(火)

集合時間:18時00分

集合場所:八坂神社西楼門付近(※詳細後日)

最少催行人数:2名様

参加料金:大人2,500円(寺院夜間参拝料別) 

申込締切日:8/9(木)

※事前のお申込みが必要です。画像またはツアー名をクリックしてツアー詳細ページからチケットを購入してください。

※申込締切が開催日の5日前に変更になっています。ご注意ください。

 

お盆休みの八坂、清水散歩!

石だたみの路地であなたが見る光景とは・・・!?

清水寺の夜間拝観、千日詣りにも行きますよ!

どうぞお楽しみにほっこり

 

さて、さて、次はどこへ行こうかな~ランニング