アパートの夜の謎 | 小津安二郎『東京物語』の謎解き

小津安二郎『東京物語』の謎解き

今まで誰も指摘してこなかった、小津作品の「秘密の演出」や「謎」を解明していきます。

前回に引き続き、紀子の 「 負の感情 」 の件です。



うらら美容院を追い出された とみは、紀子のアパートに泊まりにきます。


その時の、とみと紀子の画像です(1:12:54)   遺影の拡大図
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とみの頭上に、あの忌まわしい 「 窓ガラスの割れ跡 」 があります。


帽子のように被っています。


画面右端にある本棚の上には、昌二の遺影が載っています。


それを拡大してみました。


首から上が無いのです。切れています。


構図的に、わざと切っています。



「 窓ガラスの割れ跡 」 と 「 首のない遺影 」。


その2つといっしょに、とみと紀子の画像を見てみます。


すると、 首を絞めているように見えてきます。


そんなイメージなのです。


紀子の、強い 「 負の感情 」 の表れです。殺意に近いのです。



「首絞め」が終わると、窓ガラスの割れ跡は消えます(1:14:30)。
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遺影も、顔全部が映るようになります ( 右の拡大図 )。


遺影は、東京見物後のアパートでも映りますが、


首が切れることなどありませんでした。



撮影中、最初にカメラを覗いて構図を決めるのは、小津監督です。


そして、カメラを固定してしまいます。


その小津監督が、こんな構図にしたのです。



しばらくして、とみは泣きます。
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それを眺める紀子の顔が、冷酷ですね。


鬼のようです。


就寝前に電灯を消します(1:16:38)
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紀子が、とみの 「 命のスイッチ 」 を切るのです。


とみを殺したのは、紀子だったのです。


紀子の強い 「 負の感情 」 が、とみを死に追いやってしまったのです。




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