手の動きの謎・5 | 小津安二郎『東京物語』の謎解き

小津安二郎『東京物語』の謎解き

今まで誰も指摘してこなかった、小津作品の「秘密の演出」や「謎」を解明していきます。

何かを拾う時、勇ちゃんは左手が優位です。


この土手の場面でも、最初は左手で草を抜いてます。


紙ヒコーキを拾う動作と、同じですね。

小津安二郎『東京物語』の謎解き


いっしょに居た祖母(とみ)が、尋ねます。


「 勇ちゃん、あんた、大きゅうなったら、何になるん? 」


左手の使い方が似ているから、京子と同じく、教員になるのでは?


とみは、そう考えたのかもしれません。



すると勇ちゃんは、


と み の 質 問 に 答 え る か の よ う に 、


右手で草を抜き始めます。

小津安二郎『東京物語』の謎解き

幸一(開業医)と似た手の使い方です。


それを見たとみが、


「 あんたも、お医者さんか? あんたがのう 」 と呟きます。


手の使い方で、人物間の 「つながり」 が暗示されているのです。




ついでに、この土手の場面の最後。


勇ちゃんが、とみをどこかへ連れて行こうとしています。

小津安二郎『東京物語』の謎解き


「 左方向に進む 」 という東京の法則に逆らって、右方向に歩いています。




人気ブログランキングへ

ランキングの投票をしてもらうと、とても励みになります。