魚の食いが極シブの中、あてだけは食い気が上昇!とうとう昼飯のメインエベント!“やきそば”に手を掛けた。

んでもって、この冷え切った焼きそばのまずい事。なんか茹でていない生めんをちぎって食べている感覚だ。それでも食べる!そしてあることに気付いた。


 盛ってある中央にゼリー状の物体があった。

「お~あての神よぉ!」

この焼きそばは、レジのお兄ちゃんに一度『チン!』して貰って食べるやつやったんや~。

この時、既に4割ぐらいポンポンに入っていた。

現在、船の上である。確か電気ポットはキャビンにあるとは聞いていた。しかし、レンジはどやろ?

「気付かんフリして喰うたろ。」

とやけに切れのいいパサパサ麺をお腹に押し込んだ。


 さぁ!今度はカロリーを消費する番や!と頑張るが・・・。


 燃料を詰め過ぎた為に次の苦難が待ち構えていた。

不完全燃焼状態な感じで胃がもたれる。前にかがめない。

ついでにおでぶ。


 そんな中、お隣の前田氏が急に騒ぎ出した。

「お!なんか掛った。」

この人もなんちゃってな道具で頑張っていたのだが、何ぞがかかっているようだ。


 見た感じ、華奢な道具で順調に上がってきている。青物でない事は初期段階で判っているのでなんやろか?なかんじである。


 そうして水面に上がってきたのは、何とエイ!

「おやま!えらいモン釣りましたな。こんなん狙っても釣れまへんで。」とあて。

「どうしょ?」と前田氏。

「喰えるんですか?」

「さぁ。喰えん事は無いとおもうけど。」

「いる?」

「いえ、ええです。お持ち帰り下さい。」

思案しているよだ。あても釣りを再開した。


 「ポチャン!」

茶色い物体がウネウネしながら沈んでいくのが見えた。逃がしたようだ。

午前はツルッツルのボウズ!昼から活性が上がるのを期待しながら、雨脚の全く衰えない空を眺めた。


 「早明浦ダムの貯水率も10%以上上がっているやろうなぁ。」

絶対10ポイントとは言うたらへん!スマコミのアンポンタン!とどうでもええ事を考えていた。



 昨今の四国にとって恵みの雨だろうが、こっちにとっては邪魔者以外何者でもない。


 急な水温低下で魚の活性はドン引きやし、視界は狭くなってポイントの特定がしにくい。ついでに合羽を着てるのは暑いムレムレ。湿気に弱いおデブには厳しい環境。


 船の中で誰かが釣ればそれなりに人間の活性もあがるが、黙々とルアーを落としてはまた巻き上げてだけが続く。


 そんな中、フィクサー田邊氏が

「今日誰も釣らんかったら、永山ちゃんが皆さんを裏道後温泉へご招待やな。」

「え~!。」とあて。

前回ご案内の通りフィクサー氏を含めて6割強がルアー釣りをする道具を持っていない。

魚の活性が上がっている時であれば、なんちゃってルアーでも喰う時は有るかもしれないが、これだけシビアな状況では専用の道具を使っても、シワイ。


 雰囲気は『アカン。』この分だと、一日中しゃくっても当たりはせいぜい数回あればええとこ。と踏んだ。


 気分的に『もう、終わった。』と自分の中で今日の釣りの評価がでてしまった。


 しかし、それを口外すると帰りの道中が査問委員会々場に早変わりとなって、ネバく同じ質問の同道巡りが始まる。これだけは回避したいので一生懸命に竿をあおっていた。


 そんな中、他のグループの若いお兄ちゃんが1匹掛けた!


 このタイミングに追い食いを狙って力を入れるが、どうも喰う気があってカブリ付いた雰囲気でもない。鼻っ面を横切ったのを苛めていたのが身の破滅を招いた感じだ。近くに船が数隻居たがどこにも追い食いが有った雰囲気は無い。そのエリアを掘り下げるも反応が悪いので移動。


 こんな雨の日は、思いの外カロリー消費が激しい。それやったらダイエットできるやん!は大きな間違い。そこで我慢をすると、数日使い物にならない身体になる。と、言う訳で、今日の朝食と、昼食とおやつは普段の2倍も持ち込んでいる。


 移動のたびに、サンドイッチを食って、次はおにぎり、ほんでもってチョコレート。なんぼカロリー補給が必要でもここまでやるとやりすぎ。反省。(それは猿でもできる?)

 船が動き出したと同時ぐらいから自分の仕掛けを作り始める。

まずは、この前の出張帰りに買ったいわく付きの竿を出す。それに合わせて後日買ったリールを取り付けていると、池田氏が真っ先に反応した。

「お!永山さん。ステラ買うたんですか。」

ちょっと見つかるのが速!と思いながら、

「そうですねん。準衝動買いですねん。」とサラッと流して準備を進めた。


 この準衝動買いの意味は、大阪の某ルアー屋さんで、型落ちの竿が定価39,800の処、19,800円也。在庫限り!についつい誘われて買ってしまった。まー今シーズンも1本買おうか?と思っていたからその辺はなんとも無かったんですが、車に乗って、大阪の地を離れる途中に竿を買うとリールも買わないと!となってしまって、竿とリールのメーカー違うても全然かまわないのに、この竿には、やっぱり、同じメーカーの物をと思い込んでしまった上、なぜかコマーシャルモデルで無いと似合わないと言う結論に達してしまって、次に日曜にそのコマーシャルモデルをお買い上げ!となってしまった。


 へたこいた~!が未だにリフレインし続けている。


 その竿の準備を済ませて、もう一本準備に取り掛かった。

今を去ること1年前。拘って、拘りぬいて、カスタムメイドした竿とリールを引っ張り出して準備する。こいつも去年の暮れぐらいにやっと竿とリールが揃ったセットだ。冷静に考えるとこいつでまだ1匹も魚を揚げてないことに気付く。釣りの本分より道具に拘りだすとおしまいだ。


 準備もそこそこに出来た処で丁度ポイントに到着した。

「水深40m。底が荒いですので着底したら直ぐ揚げてください。どうぞぉ!」

の船頭のアナウンスに一番に反応してルアーを落とした。

この時は、まだ、準備運動段階。筋を大事に伸ばすようにジャーキング(アクションを付けて糸を巻き取る事)を始める。


 先に居た船も未だ釣れている様子が無い。

「まー。まだ準備運動段階やから。」と独り言を呟く。

そんな感じでピンポイントで魚の居るであろう所をサーカスしていくのだ。

雨脚は多少少なくなったかな?ぐらいだが、フードを外すところまで弱くはならない。


 初めて、数時間。腕の筋も筋肉も程よく暖まって準備OK!だが、それらを酷使するような当たりは未だ1つも無い。