恋煩い
部屋を焦がす西陽が陰る頃
決まって一人背中を見送る
残される私には広過ぎる
四畳半 音もなく
恐らく何処かの街には
帰りを待つ誰かが居て
私の事など少しも
思い出さないの
さよならを告げれば貴方は
引き止めてくれるかもなんて
小さな勇気持てぬまま
次へと望み繋ぐ
せめてこのままで...
日に焼けた薬指に白い跡
気付かぬバカな女を演じる
下手な嘘並べて隠すのも
少しは愛しいから?
我儘通し送る道
橋の下には神田川
細い影は二つ並び
隙間埋まらない
涙など見せれば貴方は
残酷ね、優しくするでしょ?
困る顔見たくはないから
遊びのフリをするの
本音飲み込んで
さよならを告げても貴方が
引き止める魅力など無くて
多くを求めない様にと
心に蓋をするの
そして壊れるわ