キャップレスデシモ
10万円が還付されるとのこと。
いろいろのことはさておき、きれいさっぱり使ってしまおうと決めた。
ところが、一向に申請書が届かない。
先走って、使途のひとつに手を付けてしまった。
名前のとおり、キャップを廃したノック式万年筆である。
ペンを持つところにクリップがあるので、実際のところ邪魔なんじゃなかろうかと相当迷った。
調べたところ、ほとんどの人が、思ったより気にならないという。それよりも、この風変わりなペンをほめたたえる記事に満ち溢れていた。
いつしか私の迷いは、細字にするか中字にするかの問題へとすり替わっていった。
二年使ってきたヘリテイジ92のFニブがややカリカリした書き心地だったので、二本目には金ペンらしいしなやかさを求めていた。それならば、字幅は揃えた方が違いが鮮明になるんじゃないかと考えて細字を選択。
これが正解で、こんな小さいニブにも関わらず、実にふんわりとした書き心地。思わずうっとりとしてしまう……
が、持ちにくい。クリップ邪魔。あと、私の持ち方だと全長が短い。
今どきポケットに万年筆差す人なんかいないし、クリップも廃したらいいのに。
お迎えした以上、そんなことも言ってはいられない。私の方が変わるのみである。
問題は、クリップをはさむように持つとニブの水平が保てないということ。それだと、紙にインクが乗らない現象が頻発する。
いろいろと指の位置を微調整して、ニブが水平でありつつ、自由に動かせる持ち方を模索する。
最終的に行き着いたのがこちら。
分かりにくいが、親指をクリップ先端に置いている。
クリップが邪魔と感じ、かつペン先から遠いところを持つ方にはお勧めしたい。
ご覧のように、ペンの尻は辛うじて人差し指付け根に乗っている状態。あと2センチ長いとバランスがいいのだが……
なんだかんだと言っても、評判どおり素晴らしい書き味なのですっかり気に入っている。
インクは、純正ブルーブラックのカートリッジとした。このインクはやや濃淡に欠けるが、キャップレスということで利便性を取った。
色彩雫の月夜がいかに繊細な色味を持っているかがよく分かったし、ヘリテイジ92の硬いニブも、かっちりとした字を書きたいときには悪くないという気づきがあった。
暇さえあれば字を書いている。万年筆は楽しい。
近所の川で
私は神奈川在住のため、県境をまたいでの移動を自粛している。
要請が解かれるのは六月中旬と言われているが、どうなるかは分からない。
県内にもメジャーレイクがあるので、釣りに行けないわけではない。
しかし、この長い自粛明けにやりたい釣りのイメージが出来上がっていて、それは県内だとちょっと違うのである。
今はフィールドに合わせた釣りをやりたい気分じゃないんだな~
やりたい釣りができる所に行きたい。もう、この先ずっとそんな感じでいいんじゃないかと考えている。
ここまで待ったんだから、あともう少し我慢しよう。
電車で5駅の、近所の川へリールのテストに出かけた。
オーバーホールした2台のR2D2とスピードスティックを携えて。こういうとき2ピースは便利。
河川敷は大勢の人でにぎわっていた。
ちょっとびっくりするほどだったが、自分もそのうちの一人である。
4点式ブレーキは全て装着。メカニカルブレーキを徐々に緩めながら飛距離を伸ばしていく。
最終的にはメカニカルの圧をゼロにしても、ストレスなく投げられることを確認した。
投げにくいものもテスト。ミニチュピだとスプールからラインが浮いてくるが、まずまずといったところ。
ここまで小さいものを使う予定もないから十分である。
スプールの口径が大きいので、ラインを低く巻いてブレーキ2個というセッティングも良さそうな気がするが、一度現状で実戦に出してから検討してみよう。
駅隣接の商業施設も営業を再開しており、みんながマスクを着けていることを除けば、コロナ前と変わらない光景がそこにあった。
自粛継続を訴える論調、ウイルスと共存して経済を回す論調、どちらにも理があると思う。
この2ヶ月、通勤電車でずっと東京~神奈川間を移動し続けてきた。
そのことと、車で県外に移動することを比較したとき、私は思考停止に陥ってしまうのである。
カスタムヘリテイジ92
二年前に初めて買った金ペンである。
それまではペン先がステンレスの、いわゆる鉄ペンで書いていた。
細字のせいか、驚くほどの差は感じられなかった。
それどころか、どちらかというと鉄ペンであるカヴァリエのほうが、上手く書ける。
カスタムヘリテイジ92は、カートリッジやコンバーターを用いず、ペン内部のタンクに直接インクを吸い上げるプランジャー式万年筆である。この充填作業が、ちょっと楽しい。なおかつ軸が透明なので、インクの色が見える。これも目に嬉しい。
万年筆は、紙も選ぶ。表面が粗かったり、インクが裏抜けしたりする紙には使えない。なにかと面倒なのである。
それも含めて、万年筆で書くこと自体が楽しい。なにか書くことはないかと無理やり探すほどに。
どんな筆記具にもそれぞれの良さがある。万年筆には気取ったようなイメージがあるかもしれないが、そういうこととは全く別の、本能に訴えてくるような、純粋な筆記の楽しみがある。






