へドンとミブロ
赴任が明けて元の暮らしに戻ったが、年80日ほどはホテル住まいである。
特に苦にはならないけど、釣り具いじりは当然出来ない。
そこで、あらかじめ撮っておいた写真を使って記事を書こうと思う。
前回の長門釣行で浸水したウンデッド。
210のボディーを流用しているため、エリマキ取り付け用のネジ穴が開いているのだが、そこから浸水という面白い症状。
ドリルで穴を開けて乾燥させれば早かったのだが、うまくふさぐ自信がない。
そこで、ひたすら振りまくることと自然乾燥を併用して水抜きをした。
しまいには、激しく振りすぎた手首が腱鞘炎になりかけたが、二週間かかってどうにか抜けた模様である。
あとはティッシュのコヨリをネジ穴に詰め、瞬間で固めて完了。浸水しなかった方にも予防を講じた。
こいつとマグトーは、ステンの直ペラバージョンを作る予定。すでに自宅にパーツは到着している。
修理のノウハウやペラのチューンは、もちろん塾長直伝のものである。
余談だが、このSOというカラー、見やすさ重視で選んだのだが、妙に気に入っている。
今さらながら、フィッシュイミテーションでないカラーもいいな、と思う。
下旬に長門釣行を予定しているが、何としてもへドンで一匹釣りたいところ。
ラストチャンスかな?
もう一つはクランクネタ。
国産で一番好きなのが、このマッドパピー5F。
特に、レッドシャッドにベタ惚れなのである。
ところが短命に終わったため、手持ちが心細い。
すると、知らない間にミブロというブランドから、塚本さんがクランクを出しているという。
しかも、レッドシャッドがラインナップされているではないか。
前知識も何も無かったが、これは買うしかないだろう、と迷わずポチった。
バレットヘッド。
やはり、インジェクションになるとどうしてもエラとかウロコとか3Dアイとかになるんだな~。
アメリカでも昨今はこういった日本的フィニッシュがもてはやされているというし、仕方ないのかな…
例えば、メキシコ製までのモデルAは、ボディーのどこにもネームが入っていない。
それでも一目見れば、これはボーマーのクランクベイトだとすぐに分かる。
個性って、そういうものではなかろうか。
私の目には、マッドパピー5Fのアクションは唯一無二のものと映る。
絶対的に「いい」動きなのである。
で、実際釣れる。
それを作った人の新作なら、見た目がどうであれ、試さないわけにはいかないのである。
それにしても…
あ~マッドパピーもっと買っとくんだった…
「EAST ASIA」中島みゆき
古いカセットを発掘して以来、みゆきさんブームが再来。
ここ数年、My歌姫に君臨してきた鬼束ちひろを追い落とさんとする勢いだ。
出張前に手持ちCDをすべてアイフォンに入れ、車の中で聴きまくっている。
どのアルバムもそれぞれ良さがあるのだが、やはり「EAST ASIA」は圧巻だ。
何と言っても「誕生」「二隻の舟」「糸」という超弩級バラードが3曲も入っているのだから。
ちょうど20年前に発表された作品である。
カラオケで「誕生」を歌ってボロボロに泣いてしまい、同僚達を凍りつかせたことは記憶に新しい。
それを二、三度繰り返したのだから、周りはたまったものではなかっただろう。
無論恥ずかしくはあったが、不思議と後悔はない。
自身や他者の悪意と向き合わざるを得ないとき、「EAST ASIA」はそれらをやすやすと溶解してくれる。
昔話その10「トロフィー」
このテーマは今回をもって終了となる。
どう言いつくろっても自慢話でしかないので、あらかじめお断りしておく。
恥知らずにご失笑でもいただければ・・・
カスミ水系で釣りを始めて7年が経っていた。
それなりに魚の顔を見ることができるようになり、天狗になっていたと思う。
当時隆盛を極めていたトーナメントにも興味津々だった私は、サンラインの二十周年記念大会、
「ダイリキ・バスフェスティバルin霞ヶ浦」に、結婚して間もない嫁さんとエントリーした。
九月某日、天候は雨。
会場に集結した290名のアングラーを目にしたとき、血がたぎってめまいがしそうになった。
岸釣りの大会とはいえ、これが試合かと。
レギュレーションの説明等が終わり、スタート。
クルマでの移動が認められており、前もって狙い定めていたエリアへ。
気分はバスボートのスロットル全開である。
ポイントに到着。
幸い他のアングラーとのバッティングは無かったが、絶好のピンにヘラ師が・・・
私は当時もっとも自信のあったラバージグ、嫁さんはコンバットの名バッシングスピン・トゥルーパーにフラグラブのジグヘッドリグというセッティングで釣り開始。
雨で雰囲気抜群だが、意外にバイトが遠い。
他の競技者が来ることを危惧していたが、どうやらノーマークらしく、誰も現れないのは幸いだった。
小一時間ほど経った頃、雨を嫌ってかヘラ師が撤収。
まっすぐそこへ向かい、ジグをピッチング。
今でもどんなバイトだったか思い出せない。
脊髄反射的にフッキングが決まり、ガニングシャフトが最高の仕事をした。
ゴボー抜きしたバスのあまりのデカさに全身が震える。
メジャーを当てると、51cm。
優勝を確信した。
自身初めての50upでもあったが、7年間で48cmの壁を破れなかっただけに、岸からではそうそう出ないサイズであることは間違いなかった。
ケイテック・モデルⅠ・7g + ゲーリー4inグラブの現物。
あとは嫁さんのサポートとバスのケアに徹する。
間もなく彼女も36を釣るが、勝負には物足りない。
入れ替えを目指して頑張っていたが、その36が弱り始めたため、やむなくウエイインすることにした。
バスを入れたビニール袋を持って検量所へ。
「デカい!」という驚嘆の声をあちこちから浴びることのくすぐったさ・・・
スタッフによる計測結果では、49㎝。
一匹長寸で競う試合でサバを読んでも仕方ないので厳密に計ったが、釣り上げた直後は明らかに51だった。
もちろん公式記録に何の不満もありはしない。
2kg秤を振り切ったため、ウエイトは計測不能。
結果、私は優勝者としてコールされ、柳プロ、児玉プロらに囲まれて壇上に立った。
何をしゃべったのかあまり覚えていないが、
「いつも気持ちよく釣りに行かせてくれる嫁さんのおかげです」
などと計算含みのコメントを発したところを見ると、案外余裕があったようである。
賞品を満載した車で帰途に就いた私には、一つの大きな後悔があった。
願い出て、あのバスを自らの手で霞ヶ浦にリリースしたかった。
今でも、切に、そう思う。




