写真家の小林哲朗さんのツイッターで、毎朝投稿されている「おるね」という猫探しのツイート。
その本が出版されたので、見てみました。
本書では「ウォーリーをさがせ!」のごとく、路地に溶け込んでいる猫を探すのだけれど、その擬態っぷりといったら、ほんっとお見事。
パッと見ですぐわかるのもあるけれど、ツイッターに載せていたのよりも難易度が高いのもある。
書籍の場合、スマホのように写真を拡大できないから見つけられるかなと思っていたけれど、時間をかければちゃんと見つかる。
そのときの達成感。
単純に嬉しい。
のっけの「この写真のどこかに5匹の猫がかくれています」も時間がかかったけれど。
初っ端からそれって…と思ったけれど、ページをめくるごとに難易度が違うので、頑張りすぎないのもよい。
また、猫さがしだけではなく、その景色全体も興味深い。
生活感があふれていたり、暮らしている人たちの工夫を感じたり。
廃墟でも、そうなった時間の経過を感じたりして、より妄想力を掻き立てられる。
そんな人間の暮らしぶりとは関係なく、自分のしたいようにしている猫ちゃんたち。
「そんな所にいるんだ!」っぷりがまた楽しい。
個人的に難関だったのは、枯れ草に覆われている睡蓮の池の見開きの。
ついつい枯れ草を凝視してしまった。
そしたら、しれっと「そこにいるんかいっ!」的に猫ちゃんがいて。
やられたと思った。
この本、二巡目もすぐに見つけられなかったりする。
私だけかもしれないけれどね。
このおるねシリーズは、小林哲朗さんのツイッターのアカウントのハイライトに載っています。
こちらね。
書籍になると、じっくりと風景全体を見渡せることができるので、そのこまごまとした造りを見るのも楽しい。
日頃、歩いていたり、動画で見ると見逃してしまうことも多いけれど、写真で一つの風景をじっくり見ると気づくこともある。
ということで、じっくりと味わえる本でした。
紙の質感もよいので、ほっとできるのもよい。
ではでは、こちらはこの辺で