深い森のみどり色の朝 -6ページ目

深い森のみどり色の朝

人間界の涙は、まだ夜が明ける前の森の中に朝露になって降りてくる。夜のうちに、漆黒の魔法使いが呪文を唱えてくれるからね。 ぼくは、その朝露を瓶に詰めて、シャンプーを作る。特に六月の早朝に。

 

ついに 母の介護に草臥れ果てた。
ええっ、まだ4日しか経ってないじゃん。。。。
とも自身に思っている。
 
母は、昨日こう私に言った。
「おめは、私の言ったことだけを やっとりゃいいんじゃ!」
 
寒い早朝のことである。
母の言うその、自分の言ったことだけとは、
3食、欲しいものを買ってきてくれて、
あれこれ、必要なものをお届けする。
遣いパシッてくれる。
後は、デイサービスもなし、おむつ替えも一日一回、
風呂も無し。ということ。
 
 
幼い頃より、母は如何に自分は不憫な女であるかを
私に言って聞かせ、
私はなんて母は不幸なんだろうと心を痛め、
母を苦しめる物事を憎み
そして良い子であろうと努めて参った。
 
だけど、5年前に生きにくさから脱却するために
母に会うことを辞めた。
ようやく辞めることができたのだ。
 
 
それなのに、
自分の言うことだけをやれと母はこの後に及んで言うのか。
 
 
何のために仕事をせずに
毎日母の側にいるのか、見ていて哀しくなるばかり。
 
早朝に足早に実家を去った。