スタバレ二次創作
ソラリオンクロニクル
~黒夢の魔王城~
👉️アビゲイルには、王宮に帰ってもらう
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ユウ「アレックスの言うとおりだよ。魔王城は、アビゲイルには危険すぎる。お姫様には無理だよ。」
アビゲイル「………………………。」
サム「さすがにその服は、冒険には向かないな。」
アレックス「おまえ、戦闘とかできないだろ?」
アビゲイル「そんなことないわよ、私、剣で戦えるんだから……」
セバスチャン「ステータスを見せてみろ。」
セバスチャンに言われ、アビゲイルは、空中に光る画面、ステータスを開いた。
セバスチャン「…………一般NPCと同じだな。戦闘力は、ない。魔王城には、ある程度のレベルが必要だ。モンスターにやられて、すぐに死んでしまうかもしれない。」
アビゲイル「…………連れて行っても、足手まといってことね………」
アレックス「そんなしょげるなって!無事プリンセスを救出できたんだ!なによりじゃないか!」
急にアビゲイルをお姫様抱っこするアレックス。
アビゲイル「ちょっと、なにするのよ。」
アレックス「お姫様っていうのは、こうやって王宮に帰るもんなんだぜ?」
アビゲイル「古くさっ!全然嬉しくないんだけど。」
アレックス「生意気なプリンセスだなぁ?ほら、さっさと王宮に帰れ。連れていってやるから。」
アビゲイル「離して!ひとりで歩けるわ!」
アビゲイルは不機嫌だけど、プリンセスの安全を考えたら、仕方がない。
魔王城の外に出て、転移魔方陣で、アビゲイルを王宮に帰した。
目的のひとつ、プリンセスの奪還を果たせたのだ。拍子抜けだが、いいことじゃないか。
しょせんこれは、夢なんだ。ファンタジーワールドで、友達と冒険をする夢を見ているだけ………。
冒険者一行は、魔王城へ戻った。
コウモリが満月の夜空を飛び舞っている🦇🌕️
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大階段の間に戻り、右側のもう一方の部屋へ。
サムは扉を調べ、鍵穴をのぞき、くちびるに人差し指をあて、静かにしゃべるように一同にうながす。
サム「中は食堂だな。オーク(豚鬼)どもが3匹。食事してる。奥に向かって縦長な部屋だ。」
ユウ「奇襲かける?」
一同は静かにうなずいた。
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扉は勢いよく開かれた。
セバスチャン「ファイアーボール……!」
間髪いれずに魔法が放たれる。オークの巨体に燃え盛る火炎弾が勢いよくぶつかりはぜる。
アレックス「うおぉぉぉぉっ!」
雄叫びをあげながら戦斧を叩き込むアレックス。オークの首の付け根を豪快になぎ払う。
サム「ヘイヘーイ!!俺達最強だぜーーッ!?♪」
サムがエレキギターをかき鳴らす。バトルソングの魔法んl効果で、仲間の速度・攻撃力・防御力が向上する。
ユウ「ウィンドアロー!」
緑に光る複数の風の矢が、オークの頭部を貫いた。
「ウ"ォォオオ"オ"オ"オ"!!!」
獣の低い唸り声が地響きのように鳴り響く。
最後に残されたオークは、踏み込むと同時に、手斧を渾身の力でアレックスに振り下ろす!机の食器、食料は撒き散らされ、椅子は音たて倒れる。
戦斧の鉄の柄で受け止めるアレックス。左に流し、返す刃で切りかかるが、浅い。
後ろにさがり、斧の間合いを取ろうとするアレックス。痛みにひるみながらも、よだれを撒き散らしながら咆哮し、体当たりをするオーク。
アレックスはたまらず体勢を崩し後ろに倒れ、オークは無防備な青年に、無骨な手斧を振りあげる。
セバスチャン「アイスランス!」
氷の槍が、オークの首を貫きえぐり、オークはゆっくりと倒れた。
ユウ「アレックス!大丈夫!?」
アレックス「あぁ……大丈夫だ。尻餅をついただけだ。」
アレックスに駆け寄り、手をさしのべるユウ。特に怪我はなさそうだ。
サム「俺達ラクショーだなっ!」
セバスチャン「奇襲がうまくいっただけだ。油断しないほうがいい。」
オークの所持品を漁ってみたが、赤い斑点の生暖かい黒い卵くらいしか、ドロップ品は無かった。
アレックス「しけてるな。」
冒険者達は、食堂を後にした。
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魔王城には様々なモンスターがいた。シャドーウォーリア、シャドーシャーマン、動く古代の人形、ゴブリン…
数々の戦闘をくぐり抜け、図書館にたどり着いた。
サム「モンスターも居ないし、罠もない!いったんここで、休憩しよう!!」
ひとりがけのソファに座り込むサム。
ユウは仲間に回復魔法をかけ、魔法薬を飲む。仲間達を見渡すと、疲労の色が見える。
セバスチャン「戦闘が多い割には、宝箱やドロップアイテムが少ないし、あってもクズばかりだ。変なクエストだな。」
アレックス「おい、こっちに来てみろよー!」
本棚の奥から、アレックスが仲間を呼ぶ。
そこには大きな肖像画がかけられていた。
紫の髪のよく見慣れた女性。
アビゲイルの肖像だった。
セバスチャン「なんでアビゲイルの肖像がこんなところに?」
アレックス「プリンセスだからだろ?」
セバスチャン「…………魔王とアビゲイルは、どんな関係なんだ?」
アレックス「あ?あー……魔王はプリンセスが好きで、さらったんじゃないか?」
セバスチャン「アビゲイルが好きで、さらう………?」
セバスチャンはひとりで考えこんだ。
アレックス「オレは、プリンセスは、ヘイリーがよかったな。あんな根暗なオタクより、プリンセス役、似合ってるだろ?」
サム「ん?んーー……まぁ、ヘイリーのほうが、お姫様ってキャラかもね。」
アレックス「お前らも、プリンセス役は、他の女のほうがよかっただろ??」
セバスチャン「…………………………。」
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