外国人が日本語を学ぶ事の難しさは
TPOに合わせた言葉の選び方
なのかなと思います。
例えば「あなた」という言葉。
私は英語を話す人に日本語を教えています。
英語には必ず主語が付くので
あなたの意味の「You」を使う事が多いです。
ですが
日本語は主語を省いて話すことが多いし
「あなた」を使う事は
そんなに多くありません。
場合によっては
「あなた」という言葉は失礼になる言葉
それは
日本社会で育ってきたら
自然と感じて分かりますよね。
例えば
目上の人に「あなた」とは言わない。
言ったらまずい事になるなと
雰囲気で分かりますよね。
ところが
英語圏の人は
「You」は普通に使っている言葉だから
言いたい文章を英語で思い浮かべて
日本語に直す場合、
「あなた」が出てくるのは当然。
私が教える時は
「名前を知っているなら出来るだけ名前を使い、
『あなた』という言葉は極力避けるように」
と言っていますが
他の日本語の先生はどうしているのだろう?
私は「あなた」と言う言葉を
子供たちによく使います。
「誰がやったの?『あなた』がやったの?」
「『あなた』が行きなさい」など。
うちの子供たちの日本語は
私から80% 日本のテレビから20%ぐらい。
日本社会での日本語はあまり体験していません。
以前、娘が3歳ぐらいの時
日本に帰って実家に滞在したら
母の友人が遊びに来ました。
そうしたら
娘がその母の友人に訪ねました。
「あなたの名前は何?」
その方、びっくりなさった様子。
3歳の幼児に「あなた」なんて
言われた事はなかったでしょうね(笑)
叔父からの返事に
「お前もコロナに気を付けて」とありました。
「お前」と言う言葉も
外国人に教えるには
”使ってはいけない乱暴な言葉”として注意すると思いますが、
叔父の「お前」には
決して、私を蔑んだり、嫌って使った言葉ではないのは分かります。
むしろ
姪に対しての親しみを込めた言葉であり
叔父の性格からしても「あなた」を使われるよりも愛情が伝わります。
こういうニュアンス
日本語教師として説明することが難しいなと感じ
どれだけ伝わっているのかなと思います。