トゥールーズで師匠と合流して再びレトロカーでトリップ中。行きに寄った川辺のキャンプ場がすごーくお気に入りだったので、またそちらを目指して。
高速の入り口でドイツ人のヒッチハイカーを拾ったら、コンパニオンというヨーロッパでは古くから伝わる石職人の修行人だという。
私は初めて耳にしたんだけど、遺産などの建物を工事する職人は特別な技術が必要なので、伝統的な修行を必要とされるんだって。自分の道具を担ぎ、3年と1日、世界を旅しながら腕を磨く。自宅から半径50km以内には立ち寄ることが禁じられ、交通費を一切かけてはいけない。ヒッチハイクなどで各地で自力で仕事を探して旅を続ける中で、自分の職を通じて世界観を学ぶことが求められる、ということ。
今では珍しいけど、特に技術職が重要視されるフランスでは大工に限らず画家や菓子職人でもこの旅をするのが伝統だったみたい。
今は工業化が進みそういう人も少ない中、まるでアルケミストみたいな若い石職人の彼に出会い色々話ができたのは運命的だった。
地元を離れることで世界の良い面悪い面をしるだけでなく、自分が生まれ育った環境のありふれた毎日の素晴らしさを再発見するという意味もあるんだって。
なんだか。
包丁持って日本を飛び出し、いろんな土地を巡って料理してきた自分と重なり。
コンパニオンという伝統は知らなかったけど、実は実体験してたんだ私?ってなんだか嬉しくなった。
その修行は本当に理にかなっていると思う。日本ではひとつの場所に長くいることが自分の成長や技術の向上に不可欠、というような文化があるけど、それでは磨くことに限りのある感性や知り得ない世界観てあると思う。
今回も再びヨーロッパで長期滞在することで、自分の描きたい世界観、伝えたいこと、その表し方を改めて考えたりするから。
旅は人を成長させる、ってまたもや実感。
お気に入りの川辺の木陰で、鳥のさえずりと蛙の合唱を聴きながら、毎日お昼寝~。
川では泳げるし、美味しいレストランもあり、もうちょっとここで滞在かな。
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