おしるしおしるし～と、わくわくして、友達にも連絡しまくってみんなで盛り上がっているっていうのに・・・
ぜんぜん気配がなく・・・。
おなかがゆるゆるで1時間に1回はトイレに駆け込んでる程度です。
ピンポンダッシュして遊んでるみたい、太陽君。
水中出産の予行練習として、今日も3人でスノーケリングに行ってきた。
海草が水の流れにしたがって右へ左へとひらひらとなびいていて、太陽が雲に隠れたり顔を出すたびに、万華鏡みたいにその姿を変える海の中。
無数の銀の小魚の群れ、たくさんのうに、1mはある真っ青なナポレオン、そして今日はベジタリアンの鮫にも遭遇した。
海底の大きな岩はまるでナウシカの世界みたいに幻想的な形で。
その岩の表面に生える紫やピンクの苔に群がる色とりどりの魚たち。
こんなに美しい世界に、生まれてくることができるんだね、太陽。
海の中は、文明の手つかずのありのままの地球の姿。
たくさんの命が一生懸命生きていて、そして家族が群れをなしている姿がまた、家族の愛や命の誕生を思わせる。
もうすぐこのたくさんの命の中のひとつとして、この世に誕生する太陽、これから自分が行おうとしている出産ということの偉大さを感じずにはいられなかった。
魚も動物も人間も、長い長い月日の間継続して行ってきた出産という行為。
自然の中の出来事で、一番神秘的ですばらしいことだと思う。
どんな感動の瞬間を3人で共有できるのか、思うだけで胸が高鳴る。
今までの人生の、そしてこれからの人生のどんな瞬間よりも、一番ありのままの姿で地球の一員になれる瞬間に違いない。
死ぬほど痛いのは、やっぱり当たり前だと思う。
自分の今までの人生、30年を振り返ってみて。
どれだけの楽しみや喜びを感じただろう。
どれだけの感動に出会っただろう。
どれだけの優しさや温もりをうけてきただろう。
どれだけの悲しみや辛さの末に学んだことがあっただろう。
たった30年分のその全てでさえ、痛みというものさしでは測りきれないだろう。
私が痛みを乗り越えるだけで、計り知れない可能性と影響力をこの世に生み出すことができるなら、私はどんな痛みにでも耐えたいと思える。
太陽の未来に、これからやってくる数知れない出会いに、喜びに優しさに悲しみにも変えられるように、母ちゃんは人生最大の努力をするからね！
がんばるんだよ、息子！
でも、あんまりピンポンダッシュしすぎると、狼少年になっちゃうんだからね。