ウインチの定期メンテナンス(組み立て編) | なんちゃってオーシャンセーラーのブログ

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オーシャンセーリングに憧れて。。。
今は、実現に向けてヨットの整備と身の丈より少しだけ背伸びをした活動をしています。

『ウインチの定期メンテナンス(洗浄編)』http://ameblo.jp/oceansailor/entry-11478134772.html からの続き。。。


追記:

『ウインチの定期メンテナンス(洗浄編)』でお伝えした、パーツクリーナーの注意書き部分に『しかも、気化したパーツクリーナーは空気よりも重いため、強制的に換気しなければキャビンに残留したままになるようです。』と、追記しました。皆さんも気をつけてください。

これを聞いていたので寒い中、コクピットでがんばってウインチをメンテナンスしていました。。。


さて、

すべてのパーツの古いグリスが綺麗に取れたら、オイルアップやグリスアップをしながら分解した逆の手順で組み立てていきます。


まず、
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パウルとパウルスプリングを合わせてオイル(ルーブ;潤滑油・機械油)を差します。

少し前まで純正のオイルは手に入らず、ミシン油を使ったり、本当に極薄くグリスを塗ったりしていましたが、リューマの純正オイルが手に入るようになりました。

(ミシン油はどの粘度のものを使うのがベストが分からなかったし、グリスは固着してしまうトラブル(パウルが閉じたまま(パウルスプリングの力ではパウルを押し返せなくなり)になって、ラチェット機能が効かなくなる。)に泣かされていました。)

パウルとパウルスプリングをパウルギアに組み込んで、また、オイルを差して、正常にパウルが動くかどうか確認して、余計なところに付着したオイルを拭き取ります。


グリスアップは、
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このように、筆を使えば、手も汚れず塗り過ぎません。(安物の筆を使ったのがいけなかったのか、切れ毛と抜け毛に泣かされました(>_<)ハケはホームセンターではなく、自動車のメカニック工具を売っているお店で買うほうがよさそうです。)


ラチェットギアの内側にグリスを塗っていきます。なんちゃってオーシャンセーラーのブログ
塗る場所は、パウルが接するギザギザの面とパウルギアが接する真ん中の部分。

パウルギア側は、ラチェットギアの内側に接する面と真ん中の部分。(パウルの爪の先にも塗っておきましょう。)

グリスを塗り終わったらラチェットギアとパウルギアを合わせます。(このときは、まだ、表側のギアにはグリスを塗りません。


ギアをベースに戻す前にギアとベースが接する面の両方と、ギアスピンドルにグリスを塗ります。
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ベースはブロンズでできていますが、我が艇、このようにギアとベースが接しているところが腐食して緑錆があります。(T▽T;)

僕が艇を譲り受けたときには時既に遅しでした。。。

グリス切れと、水分が乾きにくいのが原因かと思います。。。

このようにならないためにもマメなメンテナンスが必要です。。

えっ?固くなるまでほったらかしていたお前が言うな??ごめんなさいm(_ _ )m

このように片方のギアユニットを組み込めたら、
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もう片方のギアユニットも同じように、
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パウルとパウルスプリングにオイルを差し、ラチェットギアとパウルギアの内側で接する面にグリスを塗ります。


そして、先ほどのギアユニットと同じ要領で組み込みます。

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ここまで組み込めたら、2組のギアユニットの外側のギアにグリスを塗ります。(先にグリスを塗っておいてもいいのですが、組み立てるときに手がベタベタになるので僕は後で塗ります。)


次に、
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ローラー・ベアリング・アッセンが装着されるベース部分と、ローラーベアリング・アッセン、ドラムワッシャー、ベアリングスペーサーにグリスを塗って装着します。


後は、
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ドラムの内側のローラー・ベアリング・アッセンが接する部分と、ギア部分にグリスを塗って、分解したのと逆の手順で組み立てたら完成です!


今日はここまで!2つめに取り掛かるかどうか迷ったけど、最高気温6度・西風6mの予報、しかも六甲山の上には白い雪。時間は4時半。。。寒すぎてギブアップです。。。他にもいろいろあったりで来週に持ち越し。。。


試しにハリヤードを巻いてメンテナンスしたほうと、してないほうを比べてみると音が全然違います!!メンテナンスしたほうは滑らかな音なのに対し、メンテナンスしていないほうはカタカタ・ガリガリと高い金属音が!しかもメンテナンスしたほうはとても滑らかに軽く回ります!!!今回メンテナンスしたポートのキャビントップの40番はグリスが固くなって動きが悪くなっていたのに対し、スタボーのキャビントップはグリス切れのような感じです。


グリスは、稼動部分に薄く塗ります。特に金属同士が擦れ合う場所には両方に塗ってから組み立てるほうがいいと思います。

どれくらい塗るかというと『薄く(Lightly)』とサービスマニュアルには書いてあります。薄いってどれくらい薄く?と思うのですが、サービスマニュアルでもハケを使って塗っているので『金属面にグリスの光沢がある程度。』でいいのではないでしょうか?もしくは『グリスを盛り付けない程度。』と表現するほうがいいでしょうか。。。

(程度の問題なのでよく分かりません。分かっている人がいればアドバイスください!)


分解から組み立ての一連の作業には不意のパーツ紛失予防のために、板やシート、マスカー(マスキングテープと養生ビニールが一緒になったもの)などで、デッキからライフラインに予防策をしておいたほうがいいかも知れませんね。


僕は艇を譲り受ける時に、サービスマニュアルを3種類も一緒に譲り受けました。(まぁ、艇を譲り受ける前に頭の中にサービスマニュアルがインプットされていましたが。。。)

しかし、中古艇(新艇も)にはほとんどサービスマニュアルがないと思います。しかし、便利な世の中。。。サービスマニュアルや取説がほしければメーカーのホームページにアクセスしましょう!


LEWMARは

『LEWMARのHOME』http://www.lewmar.com/ から、『SUPPORT』にカーソルを合わせ、『Product Literature』をクリックすると『Product Literature』http://www.lewmar.com/Product-literature.asp のページに行きます。するとリューマ製品のほとんどのサービスマニュアルや取説などがPDFファイルで入手できます。『サーチ』を使用すればさらに分かりやすいです。

ウインチのサービスマニュアルは→http://www.lewmar.com/assets/img/dataset/Manual-Winch%20Service%20Manual%20B2304%20iss6.pdf にカラーで載っています。

ウインチのスペアパーツマニュアル(分解図兼パーツNo)は→http://www.lewmar.com/assets/img/dataset/Manual-Winch%20Part%20Manual%20-%20Volume%2010.pdf に載っています。

すべて英語ですが。。。


HARKENも同じようにメーカーホームページにサービスマニュアルがあるのを確認しました。

他のメーカーもホームページ上にあると思います。

ウインチのメンテナンスは基本的にどのウインチも同じだと思います。


大体、ヨットのウインチは左右対称に設置されていることがほとんどだと思います。片方ずつ分解して洗浄し、組み立て途中で分からなくなったら、反対側のウインチを分解して確認できるようにしておきましょう。そうすれば分解図はなくても大丈夫ですよね。


僕がウインチを選ぶなら、


外洋航海なら、

LEWMAR!パーツ数が少なくてシンプルな構造で、工具なしで基本的なメンテナンスができる。長距離航海中にメンテナンスが必要になるようなら、ありがたいですよね。


インショアレースなら、

HARKEN!ベアリング性能は間違いなくNo1だと思います。ただ、LEWMARよりパーツ数が多くメンテナンスにドライバーや六角レンチが必要なので、航海中にメンテナンスすることは考えたくないですね。しかし、インショアレースならメンテナンスはハーバーで行うので問題はないですよね。


他には確か、アンダーセンが大型のクルージング艇には定評がありますね。使った記憶がないけどアンタルというメーカーもありますね。


現行では上記4社がウインチのシェアTOP4だと思います。

ウインチは指定しない限り艇に標準で付いてくるものを受け入れることになると思いますが。。。


年式の高い艇には今ではなくなったメーカーのウインチが付いていることもあります。メーカーがなくなったときにスペアーパーツを買い占めたと聞いたことがあります。僕も現行商品ではなくなった44番のパーツをある程度ストックしておかなくては。。。


『ウインチの定期メンテナンス(クラウン編)』』http://ameblo.jp/oceansailor/entry-11492784228.html へ続く。。。