レイマリンレーダー その5 (取り付け位置検討編) | なんちゃってオーシャンセーラーのブログ

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オーシャンセーリングに憧れて。。。
今は、実現に向けてヨットの整備と身の丈より少しだけ背伸びをした活動をしています。

『レイマリンレーダー その4 (申請手続き前編)』http://ameblo.jp/oceansailor/entry-11465081590.html からの続き。。。


今まで使っていたFURUNO1715(『レーダーの嫁入り』http://ameblo.jp/oceansailor/theme6-10063990517.html )は船尾のレーダーアーチに設置していましたが、今回はレーダーの効率を考え、マストにジンバルを取り付けて設置します。


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ジンバルは写真のSEAVIEW社製の『SLM-1S』の最新モデルをウエストマリンから取り寄せました。

(ウエストマリンは取引があるメーカーなら、ウエストマリンのカタログに記載されていなくても取り寄せてくれます。一部特別料金が加算されますが。。。)


僕がFURUNO1715を取り付けたときには、まだなかったような気がします。。。(たぶん知らなかっただけ。。。)

レーダーを取り付けている艇はほとんどが固定で、一部の艇が手動で角度調整ができるマウントを利用していたと思うのですが。。。



日本で一番初めにこのジンバルを取り付けたのは東京湾で活動されているヨットAdagio様だと思います。(情報発信せずに、もっと前に取り付けていた方もいるかもしれませんが。。。)

『ヨットAdagio”アダージョ”迷走船長のイジリ倒し日記』http://cap-adagio.cocolog-nifty.com/blog/ というブログを公開されています。

ご自身でレーダーの取り付けをされていたり、様々な機器のインプレッション、クルージング記、整備記録などを記事にされています。

記事『レーダージンバルマウントテスト』http://cap-adagio.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-ded2.html も『レーダーが必要?』『ジンバルなんか必要?』と疑問に思っている方には大変参考になると思います。

アダージョ様、リンク許可をいただきありがとうございます。やっと、ご紹介することができました。今後ともよろしくお願いします。



さて、
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まずは、マストを見上げ、どこに取り付けようか考えます。


マストカラーから約8.2mのところに
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この前部灯兼バウデッキライト(Aqua Signal Series 25 Combo Deck And Masthead Light)が取り付けてあります。


これの下に取り付ければバウデッキライトを点けた時に、バウデッキはレーダーの影になってしまいます。


しかし、これの上に付けるのは高すぎるような気がします。


ちょうど、この前部灯兼バウデッキライトは本体とガードを合計6本のビスで取り付けられており、器具の裏のマスト前面のセンターに配線用の穴が開いています。これを取り外して、この配線の穴を利用しようかどうかで悩んでいました。

この位置は水面からちょうど10mの位置になります。我が艇には高すぎるかな???



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辞書を片手にユーザーガイドをチェックすると、


『探知距離を長くするために、できる限り高い位置に取り付けてください。』←はい!努力します!

ただし、

・頭の位置より高い場所であること。←はい!背伸びしても届かない所に取り付けます!

・簡単にアクセスできる場所であること。←ん!?マストの上は簡単にアクセスできないぞ!?

・ボートのセンターライン上にできる限り近づけること。←はい!マストはセンターにあります!

・固く安定(しっかり)した架台に取り付けること。←ん!?ジンバルはしっかりした架台ということでいいよね!?

・大きな物体からはクリアーにすること、たとえばフライブリッジ、大きな煙突、サーチライト、汽笛やマスト。←はい!アンテナ後面にマストがあるけどいいよね?

・熱や排気ガスから遠ざけること。←はい!マストの上に熱源はありません!

・磁気コンパスや、機器のアンテナから少なくとも1m以上離すこと。←はい!マスト内のVHF用のアンテナケーブルは大丈夫だよね?

以上を確認してください。

『ピッチングやローリングの影響を受けないように高く上げ過ぎないようにしてください。』←はい!適度にします!

ということが記載されていると思います。僕の翻訳が間違えていなければ。。。

これで、マストに取り付ける場合、上過ぎても駄目、下過ぎても駄目ということは分かりました。


もう少し詳しい指針がほしいので、

『ISAF OFFSHORE SPECIAL REGULATIONS』

を、調べてみました。


一応、オーシャンセーリングに憧れている『なんちゃってオーシャンセーラー』ですから。


いつも参考にしている『Extract for Category 0 Monohull』http://www.sailing.org/tools/documents/OSR2012Mo0240112-[11792].pdf

で確認すると、


『3.29.1 l)』にレーダーは

・4kw以上であること。←はい!4kwのアンテナです!

・水面から7m以上の高さに設置すること。←はい!適当な位置に取り付けます!

・アンテナは533mm以上であること。←ごめんなさい。これだけはRD418Dでは足りません。レイマリンでいうと24インチのレドームということになりますが、我が艇には大きさ的に、そして僕のふところ的に不可能です。。。

・アンテナは水平を保つこと。←つまりはジンバルでいいですよね?

などが規定されていました。僕の翻訳が間違えていなければ。。。


これはVOLVO70やOPEN60などの外洋レースのための規定だと思いますが参考になります。


レーダーのユーザーガイドとISAF OFFSHORE SPECIAL REGULATIONSを合わせると、水面から7m以上の場所にあればいいので、先の前部灯兼バウデッキライトの場所はOKのはず。。。

我が艇はVOLVO70やOPEN60のように大きくはないので、水面上10mは高すぎてピッチングやローリングの影響がどれほど、あるのか、ないのかは心配ではありますが。。。


今日は、前部灯兼バウデッキライトの位置の確認と
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この写真のようにスルーデッキマストのアンダーデッキ側で、ジンバルマウントをインシュロックで仮固定してマストとジンバルマウントのベースのフィット感を確認して帰ってきました。



帰って来て、さらに取り付けの高さの検証をしてみました。


・ISAF OFFSHORE SPECIAL REGULATIONSに規定されている水面上7m以上。

・今ある前部灯兼バウデッキライトの位置。

の、どちらかもしくはこの間にしようと思います。


我が艇、

水面からマストカラーまで約1.8m。

マストカラーからマストトップ(マストヘッドのスピンハリで揚げたメジャーの目盛り)まで約16m。


つまり水面からマストトップまでの全体は約18m。

で取り付け位置が水面から上10mでは全体の真ん中より上。7mでは下ということになります。


じゃあ、後は見た目で判断すればいいんじゃないの?ということで、


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コピーの拡大縮小や、ペイントショップを駆使して何とか描いてみたのがこの図。

左が水面上7mの位置。右が前部灯兼バウデッキライトがある10mの位置。


10mでは上過ぎのような気がします。ヘッドセールを返すのにゆとりがないかも。。。

やっぱり、7mくらいがバランスよく格好いいような気がします。


もう1つ、レーダーの垂直ビーム幅を確認しました。

このレーダー水平から上下12.5度ずつレーダー波が照射されます。

つまり、7mの位置だと前後約31.5mの位置で、初めて海面上の障害物を捉えてくれます。

これが10mだと約45mになります。

しかし、マストにはレーキがあります。

現在の正確なレーキは測っていませんが、設計上のレーキは4度です。

ジンバルのマウントはマストセクションに対して、傾けて取り付けることはできません。

なので、レーキを加味して確認すると、水面から7mの位置に取り付けると、前方は約47mで初めて海面上の障害物を捉えます。逆に後方は約23.5mの位置で海面上の障害物を捉えることになります。

これが10mだと前方約69m、後方約34m。


これはマスト上に設置予定のレドームからの距離です。

実際にはマストからバウはは4.16m(J寸法)あり、マストからスターンまでは約7.8mあります。


じゃあ、FURUNO1715との比較はどうなるでしょう。

今まで使っていたFURUNO1715(『レーダーの嫁入り』http://ameblo.jp/oceansailor/theme6-10063990517.html )はスターンに設置されたレーダーアーチの一番後ろ側の高さ約3m、バウまで約12mの位置に設置していました。

FURUNO1715の垂直ビーム幅はRD418Dと同じ。

つまり前後約13.5mの位置で初めて海面上の障害物を捉えることになります。。。

あれー!?でもこれでは前方はマスト辺りの距離でデッキも捉えてしまっていたことになりますよね!!(障害物として捉えてはいませんでしたが。。。)正確にはもう少し高かったのかな?

では、波が高かったとき、狼少年状態で僕を起こしてくれていたときには、前方の波を捉えていたのでしょうか?もしくは、後方の波を捉えていたのでしょうか?気になります。。。今回7mの高さに上げると前方は遥かに遠くを捉えることになりますが、後方はスターンから約15.7mの位置からの障害物を捉えてくれることになりそうです。約13.5mの位置を捉えてくれていたFURUNO1715とあまり変わりませんね。

それに、コクピットで座ってたら問題なかったでしょうが、ドッグハウス辺りやデッキで立っていたらレーダー波を浴びていたかも知れませんね。。。

まぁ、前のレーダーはシングルハンドの時にキャビンで寝るためにしか使ってなかったので、レーダー波を浴びるようなことはなかったのですが。。。(キャビンに入ってから寝る前にスイッチON,ワッチアラームで起こされたときだけ、コンパニオンウェイから頭を出して確認、完全に起きてキャビンを出る前にスイッチOFF、という使い方。)


改めてFURUNO1715の取説を読んでみましたが取り付け位置の最低高さは記載されていません。

また、『垂直ビーム幅 25度』と記載されていますが、上下に12.5度ずつかどうかは不明です。

本当に急ごしらえで取り付けたので、多くの艇がしているようにスターンのレーダーアーチに何も気にせずに取り付けていました。


僕は『第一級海上特殊無線技士』の免許をもっているので、『レーダー波は人体に悪い』という程度の知識はありましたが、今日始めて角度と距離を計算してみてびっくりです。今までは、たまたま使い方が幸いして人体には影響がなかっただけでした。

免許を取った直後に、教本を海水付けにしてしまって捨ててしまったので、これを機会に教本を買って勉強をやり直したいと思います。


では、実際にどのような悪影響があるのでしょう?

答えは簡単FURUNO1715の取説には『警告』として、レイマリンRD418Dには『WARNING』としてどちらも『目に悪影響を与える恐れがある』と記載されています。

つまり、レーダー使用時にはレーダーの垂直ビーム幅の範囲内から直接レーダーのアンテナを見てはいけませんということですね。

『目に悪影響』とは視力が悪くなったり、最悪失明ということでしょうか?実際に悪影響があったということは聞いたことはなく、詳細は不明ですが、我が艇は今回のレーダー移設でいつでも安心して使用できそうです。低い位置に取り付けられている方は気を付けたほうがいいと思います。


今回、水面より7m以上高いところに取り付けるのでバウに立とうが、スターンに立とうが我が艇のオンボートではレーダー波を浴びることはありません。


で、取り付けは、

1、前部灯兼バウデッキライトの移設。

2、スピンポールスライダーの高さを確認。

3、スピンポールスライダーの最上部と、レドームの取り付け予定の7mとの間に前部灯兼バウデッキライトの移設のための十分なスペースがあれば、7mの位置で決定。なければ、もう少し上ということになります。


まー、7mで問題ないでしょう。。。


このブログを参考に個人輸入をされて問題が起きたとしても当方は一切の責任は持ちませんので悪しからずご了承ください。個人輸入をお勧めしている訳ではありません。あくまで自己責任でお願いします。


また、今回の考察記事に間違いなどがあればご指摘いただければと思います。よろしくお願いします。


『レイマリンレーダー その6 (取り付け準備編)』http://ameblo.jp/oceansailor/entry-11473338509.html へ続く。。。