手順1:HACCPチームの編成(Formation of HACCP Team)

1. 手順の目的

HACCPは個人の経験や勘ではなく、組織的かつ科学的に食品安全を管理するシステムです。
そのため、特定の一人が全てを決めるのではなく、各部門の専門知識を持つメンバーで構成された
**「HACCPチーム」**を立ち上げ、協議しながら進めることが基本原則となります。

目的:

  • HACCP計画を立案・実施・維持・改善するための体制を確立する

  • 各工程や部門の知識を統合し、現場に即した危害分析と管理を行う


2. HACCPチームの構成

HACCPチームは、多部門・多職種で構成されるのが理想です。
最低限、次のようなメンバーが含まれるべきです。

 

チームリーダー(責任者)
HACCP計画全体の指揮・決定HACCP原則、食品衛生法、品質保証

 

品質管理担当
危害分析、モニタリング、検証微生物学、分析方法、衛生基準

 

製造部門代表
工程の現場知識提供、作業実態の確認加工工程、設備操作、安全衛生

 

保全・設備担当
設備点検・保守、メンテナンス機械構造、異物リスク、防虫防鼠

 

購買・受入担当原料の安全性確認、仕入れ情報管理仕入基準、規格書の確認

 

教育・人事担当(必要に応じて)従業員教育の計画と記録管理教育訓練、衛生管理指導

 

外部専門家(任意)HACCP構築支援、技術指導食品衛生・微生物学・工程設計


3. チームの責任と役割

  1. HACCP計画の策定
     危害分析、CCPの設定、モニタリング手順の作成などを協議し文書化します。

  2. 実施・モニタリング
     現場での運用確認、逸脱時の対応、是正処置の指導を行います。

  3. 検証・見直し
     定期的に結果を確認し、設備変更・原材料変更などに合わせて改善します。

  4. 教育・訓練
     全従業員がHACCPの目的・手順を理解できるよう教育計画を立てます。


4. チーム編成の手順

  1. 経営トップの承認を得て、HACCP導入を正式決定する。

  2. HACCP推進責任者を任命し、チームメンバーを選定する。

  3. 各メンバーの役割・責任範囲を明確化する。

  4. チーム内で定期的に会議を開催し、記録(議事録)を残す。

  5. 必要に応じて外部専門家(コンサルタント、保健所、食品衛生協会など)を招く。


5. HACCPチーム編成表(例)

北海道 太郎
製造部・部長・チームリーダー


全体統括・最終承認

東北 花子
 

品質管理課・課長・副リーダー
危害分析・CCP設定

 

関東 一郎
製造課・班長・メンバー
 

工程管理・作業手順確認

甲信越 健
 

設備保全課・主任・メンバー
設備点検・衛生管理

 

中部 久美
総務課・担当・メンバー・
 

教育記録・文書管理

 

外部専門家
外部・HACCP指導員指導・監査対応


6. ポイントと注意事項

  • チームメンバーは現場の実態を熟知している人材を選定する。

  • HACCPの知識レベルに差がある場合は、導入前に基礎教育を実施する。

  • トップマネジメントがチームを積極的に支援・承認することが成功の鍵。

  • 会議は定期的に行い、議事録をHACCP文書の一部として保存する。