手順3:意図する用途及び対象となる消費者の確認


1. 手順の目的

この手順の目的は、製造した食品がどのような条件・目的で、どのような人に消費されるかを明確にすることです。
これにより、食品安全上の注意点や、特定のリスクを考慮すべきポイントが明確になります。

具体的な目的は以下のとおりです:

  • 製品の**使用方法(用途)**を明確化し、不適切な使用による危害を防止する。

  • 対象となる消費者層を特定し、特定の健康上のリスク(例:乳幼児、高齢者、アレルギー体質者など)を考慮する。

  • **製品説明書(手順2)**の内容を補強し、危害分析時に正しい前提条件を設定できるようにする。


2. 意図する用途の確認とは

「意図する用途(Intended Use)」とは、製造者が想定している正しい使用方法・調理方法・喫食方法を指します。

例:

【冷凍うどん】 加熱して喫食する(非加熱では食べない)

【サラダ用野菜】洗浄後そのまま喫食する(加熱不要)

【半調理食品(唐揚げ用)】加熱調理してから喫食

【味噌・しょうゆ】調味料として使用惣菜(煮物)そのまま喫食可能(加熱済み)

このように「加熱が必要か」「生食用か」「加工原料として再利用されるか」などを明確にします。


3. 対象となる消費者の確認

製品を食べる人(ターゲット消費者)によって、必要な衛生管理レベルは異なります。
特に健康面でリスクの高い人々への提供には、より厳格な管理が求められます。

消費者区分と留意点:

消費者区分
具体例
留意すべき危害

 

【一般成人向け】
家庭用・業務用食品
通常の衛生管理で対応可

 

【乳幼児向け】
離乳食、幼児食
微生物汚染・アレルゲン混入に要注意

 

【高齢者向け】
介護施設・病院食
消化性・衛生性・硬さ・温度に配慮

 

【アレルギー体質者向け】
特定原材料不使用食品
アレルゲン混入・表示ミスを防止

 

【業務用・中間加工用】
他社製造工程で再加熱・加工される
加熱前提であることを明示

 

【輸出用】
海外市場向け
現地規格・輸送条件・保存基準に準拠


4. 記録に残す内容

この手順で確認した情報は、**製品ごとの「製品説明書」または「用途・消費者確認表」**に記録します。

記載項目の例:

  • 製品名

  • 想定される使用方法(例:加熱後喫食、生食可など)

  • 想定される消費者層(例:一般、乳幼児、高齢者、業務用など)

  • 使用上の注意(例:加熱不足による食中毒防止、要冷蔵など)

  • 責任者の確認印・承認日


5. 活用方法

  • 危害分析(原則1)を行う際、非加熱で食べられる食品高齢者向け食品はリスクが高いため、CCP(重要管理点)設定の根拠となります。

  • 食品表示・製品ラベルの作成時にも、用途と消費者情報は重要な基礎データとして利用します。

  • 外部審査(HACCP認証審査)時には、「この製品は誰がどう使うことを前提にしているか」を明確に説明する必要があります。


6. 実務上のポイント

✅ 製造現場と品質管理担当が協力して、実際の販売状況・使用状況を確認する。
✅ 「販売先(業務用・一般向け)」や「調理表示」も用途判断の根拠とする。
✅ 万が一、消費者が意図しない使い方(例:非加熱で食べるなど)を想定できる場合は、注意表示を必ず明記する。