人にも自分にも毒を撒き続ける日々《 自分史[76]》 | オカハセのブログ

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ある時サラ(仮名)から、札幌のクラブでラッパの近藤等則さんの演奏があると誘われて行く。

そこのクラブのステージングを担当してるスタッフとサラが親しかったので、サラの紹介で近藤等則さんの演奏に少しだけ参加させてくれると言ってくれた。

ライブは上の階で12時間後に始まる。ウチらは下のバースペースで飲んでいたが、サラが「あんた、今ここでサックス吹きなさいよ」って言った。

それで【「吹いていいの?わかった」と言ってから5分ぐらい吹いたら支配人らしき人が止めに来た】。聴いてた客たちは「いいじゃない!別にー!」と言ってくれた。気まぐれなサラはその時その場には居なくて上の階で誰かと話でもしていたのだろう、僕が止められた現場にはいなかった。

そしてしばらくするとステージング担当のスタッフが「悪いけどさっきの近藤等則さんとコラボの件は、ここの支配人からNGだったよ。ここで勝手にサックス吹いたらしいね、それを怒ったらしい」と…

え…

僕は「サラに吹けって言われて、ああ吹いて良いんだと思って(サラはこのクラブの顔だった)吹いたんですけど…」と言いそうになったが、逆にサラが責められるかと思い、それは言わずに「はぃ…」と答えた。この判断は正しかったのかはわからない。本当のことを言ってもサラがこのクラブの顔ならばそれほど責められなかったのかもしれないからだ。

店の支配人やスタッフには顰蹙者に思われた様だが(そのスタッフは僕が吹いた時にそこにはいなかったから支配人の話しか聴いていない)、その場に居た客には「硬すぎるよー。演奏聴いて客はすっかり盛り上がってるのに何様って感じだよね」って同情してくれたのが救いだった。言ってみればサラが原因の「貰い事故」だったが僕はサラが悪いとは思えなかった。何故ならサラはなんとか僕をその場で【注目させるための愛情】だと分かっていたからだ。悪いのはサラでも僕でも無いが、ただ客が言うように「店の支配人が硬い」のだろうとは思う。

その何日か後にサラにお茶に誘われて半日くらい札幌の街を歩いた。サラが途中に立ち寄った確かCDショップだったか(記憶は曖昧です)?に、この間のクラブのスタッフがいた。彼はサラと普通に話しているが時々チラッと僕の顔を見て「こいつ勝手に吹いた顰蹙者だ」という目をしていた。いやいやアンタが目の前で話してるサラが吹けって言ったんだけどな…と心の中で呟くだけで、なんともモヤモヤする気分だった。例えると【ある待ち合わせにリーダーから間違えて30分遅い時間を伝えられて、その時間通りに行ったら周りの人達が「コイツ遅刻しておきながら一言もないのか?」と睨まれた時のようなモヤモヤ】だ。


なんだか行くところ行くところ理不尽な対応される業みたいなものがこの頃から多くなった。結局僕は【舐められてるんだろう…】と怒りが常にあった(それは今も消えないようで、時々静岡の音楽仲間とも自分の被害妄想で怒りをどうしようもできないことがある。多分トラウマになってるんだろうな…)。

今から思うと、自分の撒いた種による社会不適合な特性から来る人間関係のトラブルや村八分によるメンタル的な「拗らせ」が、様々な人間に対しての強い怨みに変わっていたのだと思う。多分瀬尾高志のことさえ怨んでいたのかもしれない…

時々良いことももちろんあるけど、大体はやることなすことが裏目になっていて、人間も偏屈になっていたと思う。

酒を飲むと酒癖が悪くなり、精神科の処方薬も多く飲んで意味もなく飲み屋やコンビニをブラブラするようになったり、北海道大学のジャズ研のセッションに安ワインのボトルを持ち込み酔っ払いながら参加したりしていた。

友人や知人から「長谷川さんは、いつも落ち込んでいるか、又は壊れてるかのどちらかですね」と言われるようになった。

僕を見かけると睨みつけてどこかへ消えて行く知り合いもぼちぼち出てきた。


酔っ払ってアパートに帰ると、部屋の鏡の前で

「オイ! オマエよ! いつまでもいつまでも何をやってるだよ! おんなじところグルグルグルグル回ってばかりじゃねえか! あー! オマエ、しぬことも怖くてできないのか!このクソ野郎!」

と自分にヤジを飛ばすのが当たり前になってきていた。


母性の欠けてる僕の母親に悩みを打ち明けることもできない。


いい加減もう疲れていた。


だけど音楽をやっているからそれをモチベーションに生きていた。その分音楽に依存し過ぎて逃げ道が無くて音楽も辛い時も沢山あった。

それでも「音楽を辞めたら俺は終わる」と感じて無理矢理にモチベを上げていた。


ある日の北大ジャズ研のジャムセッションで新入部員のコントラバスの女の子が入って来た。彼女はとても華奢な身体で美人といえる顔立ちなのだが、しかしとてもセンス良くて骨太で芯のあるベースを弾いていたので誘って何度か一緒にライブをした。


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