アパートが全焼《 自分史[74]》 | オカハセのブログ

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一方で、退院して戻って来たアパートはすっかり反社的な人(落ちぶれた社会不適合な反社なので、あまり怖くなかったけど)達の棲家になっていた。

アパートには優しそうなお爺さんが生活保護でひっそりと生活していたが、おそらく保護課にSOSしたのだろう。ある日保護課の担当の方が来てお爺さんを連れて出て行って、そこは空き部屋になった。恐らく他のアパートか或いは病院に保護入院したと思われる。


ある日、路上ライブをしてから帰ってくると、アパート前の道路でビニール袋で有機溶剤(シンナー)を吸いながらヘラヘラしてるアパート住人がいたので、目を合わせないようにして部屋に戻った。

その後通報があったらしく、翌日警察が2人来て連れて行かれた。有機溶剤だけなら逮捕までは行かないが覚○剤使用の陽性反応も出たらしい。


そんな環境にいる夢ちゃんもヤバくなっていた。そもそもそういう環境にしたのは夢ちゃんなのだが(売人を入居させたのは夢ちゃん)…

夢ちゃんは付き合っていた彼女と別れたようでそれも影響していたのだと思う。

ある日僕がトイレに入って戻って来ると、夢ちゃんは僕の部屋の前で狼狽えていた。

見ると僕の部屋のドアが破壊されていたのだ…

どうやら夢ちゃんは覚○剤の幻覚で僕の部屋から彼女の声が聞こえていたらしく、僕が彼女をかくまっていると思ったらしい。僕と彼女が夢ちゃんから逃げるための会話まで幻聴で聴こえていたらしい。それで怒りのあまり僕のドアを「開けろ!」と叩いてそれで返事がなかった(トイレに入っていたから当然返事出来ない)のでドアを破壊したらしい。そして部屋を見ると誰もいないことがわかり、我に帰ったらしい。


夢ちゃんもヤバくなっているし、もうこのアパートに居るのは流石にキツくなって来た。

それと何か胸騒ぎがしたのだ。

何か事件か事故が起こる気がしていた。

生活保護課の担当に引越しの許可をお願いすると、ついこないだ退居したお爺ちゃんのことで事情を知っていたらしく許可してくれたので同じ白石区菊水のアパートに移った。


嫌な予感はどうやら的中した。

引越した1ヶ月後くらいに、元のアパートが火事で全焼してしまった。

後から聞いた話では、夢ちゃんはもう廊下に火が回って逃げられないので窓から布団を地面に投げてダイブしてなんとか助かったそうだ。

因みにケンヂ(仮名)は、僕が入院している間に生活保護を申請して他のアパートに住んでいた。


今から考えるとよくもあんな場所に住んでたものだなとつくづく思う。


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