2014年秋の映画「ぶどうのなみだ」 | オカハセのブログ

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2014の秋に公開された大泉洋主演(そういえば「トワイライトささらさや」「アイアムアヒーロー」と大泉洋さんが出てる映画を今回3本借りてたんですね笑)の映画「ぶどうのなみだ」をレンタルして観ました。
シンガーソングライターの安藤裕子さんが、この物語で重要な役を熱演しているということもあって借りて来ました。
『しあわせのパン』の三島有紀子監督の北海道を舞台にした第二弾。

結論から言えば僕はこの監督の作品は前作「しあわせのパン」同様に大好きです。映画レビューをみるとかなり酷評するかたが多いのは、なるほどレビューを読めば理由は良くわかります。特に北海道の地元人からは怒りに等しいくらいの批判もあるようですが、それでも(僕は北海道が故郷です)僕は【理屈抜きに】とても良い映画と思っています。
酷評される方の言い分は「北海道の自然を外側から見てただ小綺麗に描いてる」とか「ワインづくりはそんなんじゃない」とかリアリティの部分を指摘しています。見方によっては確かに(ヤクザ映画とかもそうですが)その世界のことのリサーチの詳細さに欠けるという意味では、その部分が気になる方はもちろんいると思うし、ある意味真っ当な批判なのかもしれません。
しかし僕は、前作『しあわせのパン』と同様に、【人間の心の中に秘めたどうにもならない葛藤や苦悩や闇などをとても繊細に描いている作品】だと思っています。行進しながら演奏をして歩くシーンとか、あまりにも優し過ぎる人達がいるのも、酷評するかたからすれば「フン!」という反応なのはこれもよくわかります。しかし、愛情に飢えてる人にはこのシーンは逆にたまらない感動を与えるシーンだと思います。
だから、いまひとつ愛を感じることが出来ずに大人になってしまった人たちにはこの映画はとても良い作品だと思います。ただやはり、賛否両論は分かれると思います。
安藤裕子さんの演技は、なんともいえない不思議な魅力を放っています。

北海道空知でワイン農場を営むアオ(大泉洋)と小麦を栽培する歳の離れた弟ロク(染谷将太)、キャンピングカーで旅をする女性エリカ(安藤裕子)との触れ合いのヒューマンドラマ。
黒いダイヤと称されるぶどうピノ・ノワールから醸造するワインづくりに悪戦苦闘するアオとそんな彼を黙って見守る弟ロク。
そして母親の愛情を感じることなく育った旅人エリカと、最初はお互いに反感を抱きながらも少しずつお互いの心の闇を理解していく。
僕がジーンと来た切ないシーンは、アオとロクが素晴らしい夕陽に見惚れて立ち尽くしている時、その後ろでエリカは泣きながら夕陽を見つめていて、その表情を見たその時はまだエリカに対してあまり好意的ではなかったアオが、ハッとした表情を見せるシーンです。アレは僕は凄くなにかリアリティを感じました。大泉洋と安藤裕子のベストシーンだと思っています。「きれいな夕陽を見てどうして涙が出るのか?」ということが理解できない人にはわからないのかもしれない。
前作の『しあわせのパン』と同様に、登場人物が温かい人ばかりなのですが、その裏に心に深い傷を負った人ばかりが出てきます。しかしアオとロクとエリカ以外の登場人物はこのことに特に触れていないストーリー作りのために、批判的に見る方には登場人物の暖かさが白々しく映るんだと思います。なので心に僅かでも傷を持った人であれば理解できると思うのですが…全く心に傷を持っていない人ってほとんどいないはずなので。

余談ですが、この映画に出演した俳優のうち少なくとも3人が亡くなっていますね。
「リリ」役の「りりィ」さん(1974年のシングル『私は泣いています』が大ヒットしたシンガーソングライター)は2016年11月、
アオとロクの父親役の「大杉蓮」さんは2018年2月、
エリカの母親役の「江波杏子」さんは2018年10月に、それぞれ亡くなっています。

オカリナ吹きにはハマる映画だと思います(笑)。
是非★





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