震災がれき使い防潮堤 大槌 「鎮魂の森」
2012/05/01付 岩手日報より
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大槌町が東日本大震災の復興計画に掲げる 「鎮魂の森」づくりが 30日、 スタートした。
住民とボランティアが震災がれきの上の盛り土に約3千本の苗木を植樹。
がれきの上に植樹をして防潮堤とする全国初の試みで、 処理の迅速化も期待できそうだ。
町は今後、中心部の海側地域で 用地取得を行いながら 本格的な森づくりを進め、
震災の記憶を継承する拠点とするとともに 成長した樹木で 津波被害を軽減させる。
町は、景観保護と建築制限が 予定される災害危険区域の活用策として、犠牲者を慰霊する
鎮魂の森を計画。
今回の津波では樹木につかまって助かった人もいることなどから、命や財産を守る防潮堤
の役目も担う。
同日は、趣旨に賛同した横浜ゴム(東京都港区、南雲忠信代表取締役会長兼CEO)が 同町
小鎚で植樹会を開催。 森づくりの第1弾として碇川豊町長や 細野豪志環境相、町民ら約450人
が参加した。
碇川町長は「がれきは単なる廃棄物ではなく被災者の生活、遺品の一部。
鎮魂の森に用いることで、震災を風化させないよう全国に発信したい」とあいさつ。
震災直後からがれきを活用した防潮堤づくりを提唱する、宮脇昭横浜国立大名誉教授が 苗木の
種類や植樹方法について説明した。
今回はモデルケースとして町浄化センター敷地内の約50mに、町内で発生 したコンクリート
や木材、土砂などのがれき約4トン分を運搬。上から土をかぶせ、高さ約5m、幅約15mのなだらかな
山型の斜面に整備した。 町民やボランティアは、斜面に丁寧に穴を掘り、タブノキやヤマモミジなど
16種類の苗木を植えた。

10年後には10m以上の高さに育つ。
町は今後、中心部の海側で地権者との
用地交渉が終わり次第、本格的な「鎮魂
の森」の整備に取り掛かる予定。
緑地公園や交流スペースとしての活用
を検討する。 【写真=「命を守る森に育ってほしい」。
震災がれきを利用した盛り土に苗木を植える参加者=大槌町小鎚】
去年から がれきを利用した 防潮堤づくりの提案がされていましたが、
いよいよ 試験的な植樹がスタートしました。
岩手では 広域処理だけに頼るのではなく、
このような取り組みがなされていることを 知っていただきたいですね。
また、国でも、土台にがれきを利用して被災地に防潮林をつくる計画があり、
大槌町での植樹をモデルケースにして、6月ごろに仙台平野から始めたいとしています。
このようにあらゆる知恵を結集して、迅速ながれき処理と 復興がなされますように^^