最近は日も短くなって 秋の深まりを感じますね。
先月、御所湖のほとりに 写真を撮りに行った時のことです。
「…確か この辺に 民俗資料館という 建物があったはずだけど…」
あっ、ありました
ありました
お目当ての トイレが…(笑) 右側の建物がそう

公共の建物だから フリーパスだろうと、 一目散に 目標物に近づいて行くと、
左の建物の中に 数人の人影が… こういう時でも いちおう ひと声かけなきゃ。
「こんにちは~
」
「あっ、ハイ~♪ ささ、どうぞ こっちさ 上がって見でってください~
」
…え゙っつ
Σ(゚д゚ノ;)ノ 見学じゃないんですけど…
でも、他には誰もいないし… しかたなく 見ていく羽目に。
( ああ。。自分のこういうところが嫌だ。 こんな時に なんで見栄をはる)

左の入り口を入ると 半世紀前の 雫石(発音は suzuguisu) あねっこらしき女性が三人。
大釜で 小さな松ぼっくリのような木の実を 煮詰めていました。
(この木の実の 名前を聞きましたが 忘れてしまいました。)
かたわらでは 紡いだ羊毛を 丸い輪(かせ)に している人も。
ちょうど 今から この汁で 羊毛を染めるところだそうです。

ここは 半分、土間になっていて 半分は板の間。
今でいう 玄関&リビング&ダイニングキッチンと いうところでしょうか。

岩手県南の一関市にある 父の実家も こんな建物なので、なんだか懐かしい。
炉ばたの 「横座」という 主の席に 寡黙な祖父が、炉ばたには伯父たち、
板の間には 若い叔父叔母や 従兄姉たちが正座し、 お膳を 前に食事をしました。
おそらく 古来の家長制度ですね。
子ども心に「時代劇みたいだなぁ…」と思ったものです。
この建物は明治時代の初期に建てられたそうで、築150年ぐらいでしょうか。
でも、さすがに手入れが行き届いているので、同じ年数の父の実家よりも キレイです。

女性たちが 布を 織っている機織り機です。

一人の方が 付きっ切りで 案内しながら、説明してくれました。
これは その方が 山に行って 採って来た木の皮だそうです。 ちょっとドヤ顔(笑)

幅広の薄茶の横糸が見えますが、これが木の皮を織り込んだもの。

ウチが 「うわ~
素敵~
」 と 感動すると、
女性は「織物に 関心があるんですね~」 とニコニコ… (*^∇^*)ノ
( いえ。。あの。。ウチが関心があるのは 織物ではなく、トイレの方…
)
さらに 案内して下さるという 女性のご厚意を丁重にお断りして、
やっと脱出し、 本来の目的を達成~
(uωu;A) ふ~。。

そのまま サッサと帰るのも アレなので、ぶらりと裏庭へ。(笑)

下へ降りると 谷川を利用した 水車小屋がありましたが、
残念ながら この日は 回っていませんでした。

ホントは もう少し左側から 撮りたかったけど、足元が危険
Σ(||゚Д゚)ノ
水車が 勢い良く水しぶきを上げて 回るところを見たかったですね。
表に回って見ると「南部曲がり家」だったことに気づきました。(←遅すぎ)
左が母屋、右は土間のある台所と馬屋が L字型の造りになっています。

ということは、炉ばたで食事をする人間の すぐそばに 馬も いるわけで…
古くから馬の産地だった 岩手では、馬は家畜ではなく 家族でした。
だから まったく抵抗がなかったんでしょうね。 動物に対する愛情が 感じられます。

父の実家は 南部曲がり家ではなく、別棟の畜舎で 和牛と綿羊を飼っていました。
また茅葺き屋根は 50年も前に 瓦屋根に葺き替えられています。
ウチも 祖父の葬式以来、30年も行っていませんけどね。
今は従兄がひとりで住んでいますが、とっくに朽ち果ててたりして…(笑)