遅くなりましたが、8/13に 気仙沼に行った時の 街のようすです。
今回は震災直後の3月末には 入ることができなかった
鹿折と 港~魚市場付近を回ってきました。
気仙沼は 7万の人口の6割が なんらかの水産業に関連して生計を立てる港町です。
鹿折に入ると、道路の瓦礫は片づいていましたが、途中から「通行止め」で迂回。

ここには 以前はたくさんの水産加工や造船の施設が 立ち並んでいて、
機械の騒音や 保冷車の出入りで、とても にぎやかな町でしたが、
津波に襲われたうえに、漏れた重油から火災が発生、町中が炎に包まれました。

瓦礫の処理が進んでいる所と、まだ手付かずの状態のままの所が。
進まないのは 地盤沈下で、満潮時に冠水するからでしょうか。
このような 水たまりで イワシの群れが泳いでいた(
) という話を 聞きました。

JR鹿折駅付近に乗り上げた巨艦「第十八共徳丸」
これを元通り 海まで移動させるのは、並み大抵のことでは ないでしょうね。
しかし、こんな内陸まで 巨大船を運んで来るなんて…
改めて、津波の威力をまざまざと見せ付けられました。

実は チリ地震津波の時に このあたりに 母の家があって、 被災しました。
母は 胸まで水に浸かりながら 必死で逃げ、 ずぶぬれのままで、
不通になった 大船渡線の線路の上で 一夜を明かしたと聞いています。
今の 実家が 高台にあるのは この時の 教訓だったのでしょう。

今回の震災では、従妹が 職場の2階まで達した津波に 閉じ込められ、
翌日 救出されるまで 油の浮いた冷たい海水に 胸まで浸かっていたと聞きました。
幸い 従妹も 他の親族も 皆 無事でしたが、義兄の実家は 跡形もなく流されてしまいました。
こんな話を 被災地の人達は まるでありふれたことのように 明るく話します。
ここでは 誰も 無傷で 他人事で済まされる人など一人もいないということ。
それが なんだか よけいに痛々しく感じました。
お魚市場の付近の岸壁沿いを走っていると、突然、目の前が海に…
満潮時で 冠水しています。 道路よりも海面の方が 高い

魚市場前です。かつては ちゃんと岸壁があったはずなのに…
道路と海との間に 土嚢を積んでありますが、差が10センチもなさそうです。

それでも、懸命な復旧作業によって、 6月には 水揚げが再開されました。

魚市場前の水産加工施設のまわりが冠水していますが、 ここはれっきとした陸地です



この辺は 海岸から 500m以上も 離れているのに… 信じられません。
満潮時に冠水する市街地 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/13552?page=2
津波で浸水した 田中前の街路樹 塩害で枯かかっているものも。
木の下には 塩分除去効果のある ひまわりが植えてありました。

テニスコートに建てられた 仮設住宅 ここは高台ですが、かなり辺鄙な所です。
公園や駐車場、あらゆる空き地が 利用され、それでも足りずに 隣の一関市にも 建設中です。

8/24:17:00時の気仙沼市の被害状況 ※ 宮城県HPのデータより
死者数:1007
行方不明者数:399
避難者数:961
避難所数:25
住宅、建物被害(全壊数+半壊数):10751
死者数:1007
行方不明者数:399
避難者数:961
避難所数:25
住宅、建物被害(全壊数+半壊数):10751
無味乾燥な統計の数字。 多いと見るか 少ないと見るべきなのか…
でも、この数字の一つひとつに それぞれの人生と 私達と同じささやかな幸せがありました。
こんな状況で 生業を失い 収入を得るあてもなく、荒廃した故郷を再建していかなければなりません。
想像を絶する現実が あります。
≪ 追記≫
この記事を作成するにあたって、気仙沼の被害状況の動画や航空写真などを
時間をかけて 調べて準備しましたが、現実を知るということは とても辛い作業でした。
そのたびに 体が冷たくなって 、毎晩、夢に見ました。
最近では マスコミでも 明るい面を報道されるようになったので、
「義援金もある程度は渡ったし、仮設住宅にも入って、産業も再開されつつあるなら安心。」
と、被災地のことを忘れられてしまうこと、それが、一番、怖かったのです。
現実はそんなに簡単じゃない。
今回の画像だけで 実際の状況を 詳細に伝えられるわけでは ありませんが、
報道されない 現実を知っていただきたいと思います。
それから ひとつだけお願いがあります。
これを読んで、「頑張って」「前を向いて」「一歩ずつ進みましょう」…
といったコメントは どうか しないで下さいね。 無責任な励ましって、ホントに辛いんですよ。
こちらの意図を理解していないし、キレイな言葉で見捨てられたようで 悲しくなります。
いつもの記事みたいに どうでもいいものではないので、
言葉が見つからないなら 無理にコメントしてくださらない方がいいんです。
お世話になっている 方々に 偉そうなことを言って ゴメンなさい。
時間をかけて準備したので、ゆっくりした時にでも 読んで考えていただければ うれしいです。
長文にお付き合いくださって、ありがとうございました。 m(。・ω・。)m ♪