SANADAの深層 | 珈琲にハチミツ

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正直ここまでやるか?と恐れ慄いた。


1.4東京ドームのメインイベント。最後に花道に現れたSANADAの出立ちは…武藤敬司そのものである。


いよいよSANADAの狂気性が表に出てきたのかもしれない…

時間を遡り2023年の2月21日の事を思い返してみる。武藤敬司の引退試合だ。


不世出の天才が迎える最後の日、かつ東京ドームという大舞台で武藤の対角線に立った男が、内藤哲也である。SANADAはこの試合を内藤のセコンドとして至近距離から見つめていた。SANADAは試合中、何度も心の中で呟いていた。よりによって内藤か……


かつて内藤と同じ日に新日本プロレスの入団テストに挑み、選ばれなかった真田聖也。


全日本プロレスからW-1と団体を跨いで師事してきた武藤敬司、しかし最後の相手に選ばれなかったSANADA。


またしても?いやこれ以上ない屈辱感を味わったこの男は長い間復讐の機会を伺っていた。実際SANADAの実力は内藤に引けを取らない。プロレスセンスは超一流、テクニックは折り紙付きだが、しかしどこかで頭一つ抜けきれないイメージが付き纏っていたのがSANADAである。クチ悪いプロレスファンは彼を便利屋さんと呼んだ…


現状を変えるには行動を起こさなければと、同年3月に内藤をトップに据えるロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンを離反。まずはユニット内No.2からの脱却を図る。その勢いに乗ってNEW JAPAN CUP決勝に進出。この試合に勝つことができれば、4月の両国国技館でオカダカズチカのIWGPタイトルが控えて…いる?どこかでみた流れかと思い返すと、2016年の同月、ロスインゴを立ち上げて水を得た魚のように暴れ回っていた内藤哲也の姿がオーバーラップしてくる。(そういえば当時のチャンピオンもオカダカズチカであった。)ここまで酷似してくるものかと唸っていた矢先にSANADAが躍動した。


シャイニングウィザードである。


…武藤敬司が引退を表明した時、NOAHの清宮海斗がこの技を継承すべく気炎を上げた。それはいい。彼には何のDNAも感じないのだから好きにすればいい。と静観を決めていたSANADAだったが、再び2月21日のこと、内藤が掟破りのシャイニングウィザードを武藤に放つ!リングサイドでこの場面を見たSANADAは人知れず怒りに震えた。それはないだろう⁉︎と憤慨したSANADAはこの時ロスインゴを離れようと静かに決意した。


もはやなり振り構ってなどいられない。口数の少ない男ではあるが、世界を股に掛けキャリアを重ねてきた。これ以上内藤に遅れをとることは出来ない。いよいよ引き出しを開けはじめたSANADAはNEW JAPAN CUPを制した勢いそのままにオカダをも下しチャンピオンベルトを巻いた。


あとは内藤を迎え撃つだけ?だがSANADAは直接対決を急がなかった。じっくり機会を待った。G1climaxでも10月の両国でもない。最高の舞台はあそこしかない。武藤敬司が最後に立ったあの場所である。