※例外は認める。
大谷晋二郎もその意思を受け継ぐ一人。2001年に産声を上げた「火祭り」は彼らの思いを具現化した大会で、翌年開催された「火祭り02」では門戸がさらに広がり総勢10名が熱い闘いを繰り広げた。結果は大谷が二連覇を達成し、熱い男といった称号のみならずゼロワンでの地位をより盤石にすることに成功した。大谷の活躍は目ざましいものがあったが、団体内外の注目を浴びたのは準優勝の黒田哲広と金村キンタローのWEW勢であった。黒田は表彰式でも「お前、最高ー❗️」と大谷が絶叫するほどの感激を与え、金村にいたっては橋本も大いに太鼓判で、年末にはシングル対決が実現。ところが、そのシングルマッチにこれまでゼロワンに数々の暴挙をはたらいていたWEWの設立者であり事実上ボスの冬木弘道が突如乱入!
冬木は同年5月に大腸癌が原因で現役を退いていたのだが、この日、癌の転移と自身に残された時間があとわずかであることを告白。
そして、最後の対戦相手に橋本を指名した時、運命の歯車が一気に加速する。
「俺は死ぬまでプロレスラーだ!」
癌に侵されながらも最後までプロレスラーとして生きたいと訴える冬木。そんな状況下での対戦要求は、橋本にとってはビジネス的な嗅覚よりも人情家として琴線にふれるものだったのかもしれない。
かねがね人間の春夏秋冬を見せていくのがプロレスと語っていた橋本。今彼の目に映っているのは、過酷な現実を背負いながらもリングで果てようとしている冬木か、それとも…
続く