49.歩行練習 | 脂肪肉腫との戦い

脂肪肉腫との戦い

2015年8月14日に腹腔内の巨大脂肪肉腫の摘出手術を受けました。
その後、2016年9月、2017年11月、2019年9月、2020年9月、2021年6月、2021年10月、再発手術を受けました。
私にとってまさに戦いです。
これまでの経過を綴っています。

入院して2ヶ月。10月に入りました。
手術前65キロあった体重は、脂肪肉腫と液状物質を除去して50キロになり、その後膵液漏による絶食で減り続け一時47キロまでいきました。身長174センチなので、47キロというとひょろひょろもいいところ。
腹部は手術前は異常ともいうべき程に膨れ上がっていましたが、術後はぺっちゃんこどころか、えぐれていました。浴室の脱衣場で鏡に映った自分の姿を初めて見たときはぞっとしました。
このころは、膵液漏が止まり食事も普通食になり順調に体重は増えていました。それでも50キロをやっと超えたほど。体力増強には、まず体重を増やすこと。良く食べ良く歩くこと。これを実践しました。
食事以外にもおやつとして、プリンやゼリー、せんべいなども食べていました。
また、歩行練習もどんどん距離を伸ばし廊下だけでなく、階段も上り下りするようになり、院内から外に出るようになりました。
初めて外に出たときのことは今でも鮮明に覚えています。室内では絶対に吹かない爽やかな風、そして潮の香。生きている実感そのものです。
院外の歩行練習は、広い駐車場を歩くこと。熱海病院の駐車場には長いスロープがありここを理学療法士の齋藤さんや伊藤さんとせっせと歩きました。
また、週に1回遠征にも出ました。熱海駅まで行くのです。初めは病院と駅を往復している専用バスに乗って熱海駅まで行き、商店街を30分ほど歩き
またバスで病院まで戻ってくるというもの。バスに乗ると乗り物にはつきものの振動があります。カーブや段差、加速とブレーキなどなど。それが傷口に響きます。健康な人なら何にも気にならない揺れが、大いに響きます。
それも退院したら当たり前のようにあることなので、実践を想定してやりました。
熱海駅前には、誰でも無料で入ることのできる「足湯」があります。熱海駅遠征のときに一度、タオルを持参して足湯に入りました。じーんと伝わってくる何とも言えないほかほかとした感じが最高でした。
だんだん体力がついてくると、バスを使わず歩いて熱海駅まで行くことにしました。病院から駅までは一本調子の上り坂です。そこを一歩一歩這い上がる様に上っていきます。途中、夜勤のため病院に向かう看護師さんと何度か会いました。みな私がこんなところを歩いているのを見てびっくりしていました。さすがに帰りは、専用バスで病院に戻ります。約1時間かけての遠征です。病院にもどるとぐったりしながらも、達成感に溢れていました。