45.食事開始 | 脂肪肉腫との戦い

脂肪肉腫との戦い

2015年8月14日に腹腔内の巨大脂肪肉腫の摘出手術を受けました。
その後、2016年9月、2017年11月、2019年9月、2020年9月、2021年6月、2021年10月、再発手術を受けました。
私にとってまさに戦いです。
これまでの経過を綴っています。

膵液漏は、ほぼ止まったと診断されました。
3週間絶食していましたが、手術前から絶食を始めていましたので、実質的には1ヶ月ほどまともに食べていない状態が続いていました。
これからやっと食事が開始します。
最初の食事は、重湯と具なし味噌汁、オレンジジュース。その名のとおりの流動食。恐々とゆっくり飲み干します。
食事をとると消化器が働き始め、膵液も出てきます。漏れていると、またあの激痛が走ります。

大丈夫です。しかし、消化器が動き始めると違和感があります。仕方がありません。1か月もほとんど機能していなかったのですから。
胃腸の動きだけでなく、腸内細菌も正常時と比べて相当バランスが崩れています。抗生物質の影響で死滅してしまう腸内細菌もあります。
一般に腸の機能が正常に戻るまでには絶食期間の3倍かかるとのことです。
これから3か月かけてじっくりと元に戻す必要があります。
こうして、食事を摂ることができるようになり、内容も少しづつレベルアップして重湯は三分粥、七分粥そして普通のご飯へと。また、おかずも形のない何だか分からないものから、段々形あるものに変わっていきます。
我々が普段食事をするときは、当たり前ですが食べ物を見ながら食べます。これまでの経験からおおよその味や歯ごたえを想像しながら食べます。
しかし、流動食は形がありません。ペースト状です。そうすると、どんな味か想像できない状態で、いきなり口に運びます。これは非常に変な感じです。要はまずく感じるのです。もしかしたら美味しいものかもしれませんが、だめです。流動食が美味しく感じられないのは、視覚と味覚のマッチングがないからだと分かりました。私が一番きつかったのは、ほうれん草のお浸し。いつもは好き嫌いのない私ですが、この時ばかりは残しました。